りんご世

今日12月22日は「冬至」。
1年で最も日照時間が短い日、冬の真ん中とも言えます。
寒さ厳しい季節で、冬至にはかぼちゃと小豆で作った冬至かぼちゃや
運を呼び込むために「ん」のついた食べ物を食べる習慣があります。

かぼちゃ=なんきん、うどん、きんかん・・・
「ん」のつく食べ物はいっぱいありますが、
2025年冬、我が家の運は沖縄の名物アップルパイで呼び込みましょう。
アップル=りんご、ね?「ん」がつくよ♪


「Jimmy’s」のアップルパイです。
1956年創業の沖縄の老舗ベーカリー「Jimmy’s」のアイコン的存在。
しっかりした生地に甘酸っぱいりんごのフィリングがたっぷりのアメリカンスタイルのパイは
普段のおやつからお祝い事、お土産として沖縄の人の暮らしに根づいたソウルスイーツです。

那覇空港のお店ではいくつもの箱を重ねて爆買いする姿をよく見かけました。
県外に暮らす沖縄出身の知り合いへのお土産なのでしょう。
今回は冬の北海道旅で来札した沖縄の知人がわざわざ買ってきてくれたのです。
沖縄を愛する私にとっても、ソウルスイーツ、とっても嬉しくてテンション上がりまくり♪


箱を開けると・・・シンプルなアメリカンスタイルのパイのお顔。
さっそく、クリスマスのサンタさんと雪だるまで飾り付け。
我が家の2025年のクリスマスケーキは「Jimmy’s」のアップルパイ♪
りんごの「ん」もつくし、きっと素敵な運がやってくることでしょう。


切った断面はこんな感じ。
とろっとしたりんごのフィリングがなんとも懐かしく、心をゆさぶる。
アメリカのおばあちゃん(アメリカに祖母はいないが笑)を思い出すようなノスタルジックな味わいなの。
大きなパイに、気持ちも大きくなって、ついつい大きめのカットしてしまうのもお約束。


サンタさんを飾って、いっただっきまーす!
う~ん・・・これこれ、一口食べると沖縄の風景が蘇る。
58号線の渋滞、ロードサイドに立つJimmy’sのオレンジ色のロゴ。
クリスマスシーズンの混雑っぷりは、ハンパなかったなぁ。
沖縄県民に長く長く愛され続けていることがよくわかった。

「アメリカのパイを買って帰ろう 沖縄 58号線の向こうへ」(野沢敏器著)
Jimmy’sのアップルパイが生まれた時代背景を描いた秀逸な1冊であります。
憧れのアップルパイ、初めて英語を耳にしたあの日の入道雲、
日本兵がいなくなった島に違う青空が広がる気がした・・・と綴られるこの本を読むと、
アメリカのパイが物語る沖縄の戦後史が立ち上がってきます。

Jimmy’sの創業者である稲盛盛保氏は首里出身、15歳で終戦を迎え、兄二人は戦死。
家計を支えるために米軍基地で食器洗いからバーテンダー、運転手など何でもこなして働く中、
軍の食堂で覚えたパイやケーキのレシピをもとに、物資のない時代に沖縄の人においしいパンやお菓子を食べてもらいたいと
1956年、当時の軍用1号線沿いに開いたのがJimmy’sの1号店でした。

1972年に沖縄は日本に復帰、軍用1号線は地元の人が「ゴッパチ」と呼ぶ国道58号線に名前が変わり、
Jimmy’sは沖縄各地にお店を増やしていき、ベーカリー&食品ストア&カフェ&レストランとして
地元の人たちにとって大切な存在となっていきます。
まさに「いくさ世」から「アメリカ世」そして「ヤマト世」と遷ってきた沖縄の歴史そのものと重なるお菓子、
それがJimmy’sのアップルパイなのでした。

今年は映画「宝島」、WOWOWの連続ドラマ「1972 渚の螢火」など
沖縄のアメリカ世を描いた力強い作品に心を大きく揺さぶられました。
りんごは平和を象徴する果物ともいわれます。
アメリカのパイを買って58号線をレンタカーで走った旅の記憶が今も脳裏に刻まれている。

りんご世。
ただただ平和を祈る冬至の朝だった。