甘味遺産
春はあけぼの。春は甘いもの。
みつ豆、豆かん、あんみつ。豆と蜜と寒天とあんことあん果物と。
あれとこれを組み合わせたらおいしいかも。
甘党のあくなき探求心が生んだ傑作。

「麻生茶房」の「白玉クリームあんみつ」。
先日、札幌シャンテの地下にあるお店に伺ったのですが、平日の午後、もう超満席。
甘いものをはさんで店内はお喋りの花が満開でした。
甘党の我が夫婦、妻は白玉とソフトクリームが載った進化系あんみつをオーダー。

夫が頼んだのは「彩りあんみつ」。
あんみつに抹茶アイス、きなこアイス、黒糖寒天が入った超進化系あんみつ。
豆と蜜と寒天とあんこと果物とアイスと・・・あんみつの進化はとまらない。
その甘い系譜をひもとくと「甘味遺産」と呼びたくなります。
あんみつのルーツは江戸時代後期、屋台で売られていた「みつ豆」。
当時は蒸した新粉に赤えんどう豆を加え蜜をかけたものでしたが、
それを現代の「みつ豆」にアレンジしたのが明治35年(1902年)浅草で創業した「舟和」。
翌年の明治35年、ハイカラな器に茹でた赤えんどう豆、寒天、求肥、杏、パイナップル、みかんなどを盛り付け、
蜜をかけた「みつ豆」を考案、銀のスプーンを添えて提供したところ大ヒットしたのです。
また同じ浅草にある老舗の甘味処「梅むら」ではみつ豆よりもさらにシンプルで
豆、寒天、蜜だけの「豆かん」を出しました。
今でも舟和も梅むらも浅草を代表する甘味処として人気です。
江戸のみつ豆は明治になってより華やかに、一方ではよりシンプルに進化したのですね。
その「みつ豆」「豆かん」がさらに進化して生まれたのが「あんみつ」。
明治27年(1894年)に銀座5丁目で創業した「若松」の2代目森半次郎が
「もっと甘いものを」というお客さんのリクエストに応えて、
みつ豆にこしあんをのせて黒蜜をかけて提供したところ、めちゃウケ、たちまち話題になったのです。
これが「あんみつ」の始まりですが、
凄かったのは、あんみつの考案だけではありません。
「若松」の2代目は、このあんみつを門外不出にしなかったのです。
ほかの甘味処でも自由にあんみつを出せるようになり、あんみつは全国に広がり、今に至るのでした。
甘味遺産「あんみつ」の立役者は「若松」とも言えます。
大ヒットを生み出したら、その利益は独り占めしたくなってもおかしくない。
でも、商売よりも、甘党の笑顔を優先したその決断に最敬礼したい気持ちだ。
ありがとう。「若松」。
銀座の「若松」で元祖あんみつをいただいたことを思い出します。
銀座の静かな裏通りにたたずむ落ち着いた心地よい空間。
お店の名前を表す緑の若松をもした羊羹が添えられたいた。
2023年12月30日、ビルの建て替えに伴い「若松」はその歴史に幕を下ろしました。
甘味遺産。
心に残るあんみつだった。
★★★本日3月18日(水)HBC「今日ドキッ!」にコメンテーターとして出演させていただきます。
どんな話題に出会えるのか、わくわきドキドキで行ってきまーす!


