ボンボンの季節

雪があっても、春に向かっていると思うと嬉しい。
長く寒い冬を過ごしてきた北国、雪国の人間はなおさら嬉しい。
少しずつ日がのびる、少しずつに日の光が明るくなってきた。
あるかなきかでも、ほんの少しでも、春の兆しを敏感にキャッチするのだ。


ご近所スーパーのバレンタインコーナー。
その一角に長く愛されるチョコを見つけました。
「ウイスキーボンボン」。
洋酒の瓶を模した形のチョコに甘いお酒をしのばせた大人のチョコです。

昭和の子ども時代、今のようなお洒落なトリュフやショコラテリーヌなんてなかったけれど、
ウイスキーボンボンはあった。
日常的に買うものではなかっが、お土産などで戴いたのだろう。
赤や青や金色の銀紙に包まれた一口サイズのチョコは、宝石みたいに見えたものだ。

きれい・・・美味しそう・・・と小さな手を伸ばそうとすると、
「あ~、それ、ウイスキーボンボンだから、お酒が入ってるから子どもはね、ダメ」と
まわりの大人たちからそれは素早く、口に入れるのを阻止されたっけなぁ。
ウイスキーボンボン、可愛い名前の、手が届かない宝石だった。

ウイスキーボンボンはヨーロッパの宮廷貴族の間で流行した砂糖菓子「ボンボン」が進化し、
19世紀のフランスやドイツで誕生したリキュール入りの砂糖菓子が始まりで
1923年(大正12年)にロシア革命の難を逃れて来日したマカロフ・ゴンチャロフ氏が
神戸の北野町にチョコレート工房を開業、日本発のウイスキーボンボンを作ったとされます。
今もデパ地下にある「ゴンチャロフ」の創始者ですね。

チョコレートに包まれたウイスキーボンボンをカリッと噛むと、砂糖衣がシャリっと崩れ、
甘いお酒がとろ~りと口の中に広がります。
チョコと砂糖衣の甘さ、お酒の香りと風味、いつまでも残る芳醇な余韻。
子どもを卒業して、初めて食べたウイスキーボンボン、確かに大人の味がしました。

甘さだけではない、幾層もなる複雑な味わい。
ウイスキーボンボンが日本に伝えられた歴史とも重なるような気がします。
ロシア革命から逃れた東洋の国で心機一転をかけて作られたお菓子だった。
「ボンボン(bonbon)」はフランス語、語源は「おいしい」を意味する「bon」を重ね、
「おいしいおいしい」を表すそうですが、おいしいの間には色々な歴史もあったのですね。


甘くほろ苦いボンボンの季節。
バレンタインコーナーのお向かいにはひなまつりのお菓子が並んでいた。
春は心がときめく行事がいっぱい。
雪景色も楽しく見えてきた。

★★★本日2月11日(水)HBC「今日ドキッ!」にコメンテーターとして出演させて頂きます。
祝日の今日、どんな話題に出会えるのか、わくわくドキドキで行ってきまーす!