よそうちもん
初冬の早朝。
東の空が地平線から明るいオレンジ色に染まっていきます。
オレンジから金色、薄い青から天空に夜の面影を残した濃いブルーが広がる空は
地球がたぐいまれなアーティストなんだと実感させます。

立冬とともに我が家の今季鍋シーズンも開幕。
豚しゃぶ、おでんに続き、この週末は博多の伝統鍋を楽しみました。
博多を代表する郷土料理「水炊き」。
本場の美味しさをイメージしながら、自分流で仕込みましたよ。
主役の鶏肉は手羽元ともも肉、2種類を用意。
まずは水と酒を入れた土鍋に手羽元と薄切り生姜を加えて、アクを丁寧にとりながらことこと、ことこと。
40分ほどじっくり骨からも旨みを引き出したところで、大きめに切ったもも肉を加えてさらに20分、
お肉が十分に柔らかくなったら野菜などの具材を加えていきます。
鍋の野菜といえば白菜が一般的ですが、今回は白菜の出番はありません。
博多の水炊きには、キャベツ!
白菜よりも水分が少ないキャベツは鶏のスープが薄まりことがなく、
美味しいスープを吸い込んでさらに甘くなるキャベツを使うのがお約束なのです。
とゆーことで、食べやすく切ったキャベツ、長ネギ、椎茸、しめじ、えのき、豆腐などを加えて、
お野菜に火が通ったら、食卓へ。
自家製の鍋つゆに沖縄のシークヮーサーを器にぎゅっとしぼって
はふはふ、はふはふ、いっただきまーす!

う・・・美味い!美味過ぎる~~~!
鶏肉はほろほろ、手羽元はほろりと骨からお肉が外れる柔らかさ、もも肉の程よい弾力と濃い旨み、
そして、そーです、キャベツが甘い、美味い、甘い!
やっぱ、水炊きには博多のお約束、キャベツばい。
博多の水炊きの発祥は現在も福岡市中央区に本店がある「水月」で
初代料理長の林田平三郎が明治時代に生み出したといわれます。
香港で英国人の家に住み込みで料理人をしていた平三郎がそこで学んだ洋食と中華にヒントを得て、
鶏の水炊きを考案。スープに合うキャベツを具材に使ったのだそうです。
西洋料理のコンソメと中国料理の鶏の水煮を
日本人の口に合うように工夫して生まれたのが博多の水炊きというわけです。
今も昔も国際都市である博多の歴史と文化を物語る郷土料理なのですね。
そうです、博多は、はるか昔から世界に開けた都市なのでした。
大陸のさまざまな文化を受け入れてきた博多。
うどんやそば、饅頭の製法も、お茶の文化も博多に持ちこまれましたし、
辛子明太子も大陸からの引揚者によって広められたといわれます。
外の文化やいいところを、自分たちのうちにうまく取り入れて発展してきたのが博多。
博多の街は昔からよそに向かってオープンなところが魅力なのだ。
よそから来たもんもうちでうまく生かす町人文化が今の博多につながっている。
豊かな文化、魅力ある文化は、多様性から生まれるんだ。
はふはふ、はふはふ、博多風水炊きを頬張りながら実感した。
よそ+うち=うまかもん
よそうちもんは、うまか。


