紅葉秋野菜

秋になると和食が恋しくなります。
今年豊漁の秋刀魚の塩焼きやこっくりした煮物などしみじみ味わいたくなる季節。
北海道も出来秋を迎えて、思わぬ秋野菜に出会ったりします。
時には、まさかの、こんな素敵なお野菜にもね。


艶やかに輝く緑・・・ピーマン?ししとう?
いえいえ、京都のおばんざい処などでお目にかかれる、あの伝統の京野菜であります。
「万願寺とうがらし」。
唐辛子の仲間ですが、辛みはなく、甘みとボリュームがあるのが特徴です。

大正時代に京都の舞鶴市万願寺で生まれた原種は地元の人たちの間で美味しいと評判になるも
栽培が難しく、ごく限られた地域で自家野菜として栽培されるのみでしたが、
独自の工夫で産地あげての努力と熱意の結果、京野菜を代表する一品となったのでした。
なかでも最上の「万願寺甘とう」は地域ブランド野菜として大切に栽培されています。

「万願寺とうがらし」という呼び名は大型の甘トウガラシの代名詞として
全国的に広く知られるようになっていて、北海道でも栽培されているのですね。
夫がチカホのお店で見つけたのも、北海道で育った「万願寺とうがらし」らしい。
かつて京都の旅で初めてお目にかかって以来、大好きなの♪

しかし、この万願寺とうがらし・・・一本、赤くなっている。
実は収穫を遅らせて木になったまま成熟させると赤く色づくのです。
緑色の色素成分クロロフィルが日光によって分解され、
赤色色素のカプサンチンが増えることで赤くなり、甘みも増すそうです。

ピーマンやパプリカが成熟すると赤くなるのと同じ理由ですが、なんだか、紅葉にも似ている。
紅葉も葉の成分のクロロフィルが、秋に気温が下がると分解が進み、
黄色や赤の色素が表面に表れて赤や黄色に色づくとされています。
ほんのり赤く色づいた「万願寺とうがらし」は紅葉秋野菜、ともいえます。

甘くて肉厚でジューシーな「万願寺とうがらし」はシンプルにいただくのが一番。
破裂しないように楊枝で何か所か穴を開け、グリルでこんがり素焼きにして、
熱々に醤油と味醂を煮切ったたれを回しかけ、鰹節をのせます。
「万願寺とうがらしの素焼き」の出来上がり。


緑とほんのり赤く色づいた万願寺とうがらしの上で鰹節が躍っている。
お箸でつまんで、パクリ・・・じゅわぁ~っとお口の中に甘みと香りが広がります。
噛みしめるほどに甘みと旨みと香りの三重奏にうっとりさせられ、
うん、確かに、赤くいろづいたのは、ことさら甘いかも。
我が家が京都のおばんざい処に思えてくる。幸せなり。

ピーマンや辛い唐辛子は苦手という人も、万願寺とうがらしは美味しくいただけると思います。
さっと素揚げしてお塩でいただくもよし、素焼きしておじゃこと合わせるもよし、
京都では海老のしんじょを詰めた一品にも感動した思い出があります。
紅葉秋野菜をしみじみ味わう。秋は和食がいいね。

☆☆☆本日10月1日(水)HBC「今日ドキッ!」にコメンテーターとして出演させて頂きます。
どんな話題に出会えるのか、今日もわくわくドキドキで行ってきまーす!