昔々、按田村にね

あら・・・秋の気配・・・?
今朝はレースのカーテンを大きく揺らす涼しい風が吹いています。
「秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどれかれぬる」
古今和歌集の有名な一首を風の音と勢いで実感する朝、
そろそろ、朝のコーヒーもホットにシフト・・・かしら。

プロ野球もJ2サッカーもシーズン終盤に向けて
ファイターズもコンサも負けられない戦いが続く夏の終わりの週末、
テレビの前で観戦、応援するにもパワーチャージが必要、
我が家の食卓には沖縄の息子たちから送られてきた、
夏の美味しいものがラインアップしました。

昨日のちょーでーぐぁの冷やし沖縄すばに続いてご紹介するのは
ミシュランのビブグルマン獲得の名店「按田餃子」です。
東京代々木上原にあるお店の名物は料理研究家按田優子さんが手がける水餃子4種類を
8月生まれの夫のバースデープレゼントに送ってくれたのです。


「按田餃子」が冷凍でご到着。
鶏肉と豚肉をベースに「香菜と胡瓜」「大根と搾菜」「キャベツと生姜」「カレー風味と人参」の4種類。
どれも普通の餃子の具材ではお目にかかれない斬新な組み合わせに期待が高まります。
さあ、まずは・・・「キャベツと生姜」の鶏肉の水餃子をいただくことにしましょう。
冷凍のまま、沸騰したお湯で茹でること6分。


まあ!なんてキュート♪
ころんとかわいらしいお帽子のような形の水餃子、熱々をさっそくパクリ!
う~ん、もっちもっち!!!ほんのり色づいた自家製皮にハトムギの粉末も使われていて、
もっちもち噛むたびに穀物の香りとやさしい甘みがお口に中に広がります。

と同時に・・・鶏肉とキャベツの塩漬けがたっぷり入ったあっさり餡は
なんとも絶妙なスパイスの香りが融合、隠し味にパプリカパウダーが入っているらしい。
これは・・・唯一無二、どこにもない、按田餃子ならではの味わいに脱帽。
初めて食べたのに、どこか懐かしく、どこかエスニックで、一瞬で魅了されました♪

「按田餃子」オーナーである料理研究家・保存食研究家の按田優子さんは
菓子・パンの製造や乾物料理店でのメニュー開発を経て、2011年に独立。
食品加工専門家としてJICAのプロジェクトに参加、ペルーのアマゾンを6回訪問。
2012年に写真家の鈴木陽介氏とともに「按田餃子」をオープンしました。

始めたきっかけは東日本大震災で電気やガスが使えない生活を経験し、
「冷蔵庫を使わないで暮らしてみよう」と部屋で乾物を作ったりするうちに
レシピ本「冷蔵庫いらずのレシピ」を出版、その写真を担当した鈴木さんと
「こんな乾物使ったレストランがあるといいね」などと雑談が広がります。

その雑談が「按田餃子」につながっていくのでした。
「中国の秘境”按田地方”に伝わる架空の水餃子が食べられるお店があったら楽しそう」。
昔々、中国のあるところに、按田村があったとさ。
冷蔵庫もガスもレンジもないけれど、乾物や漬物や地元の野菜や香草を使ってね、
それはそれは絶品の、どこにもない美味しい按田餃子を作っていたとさ。

なんて素敵な「按田餃子」誕生物語でしょう。
食を大切にしてきた歴史が現代の東京代々木上原で矛盾なく実現されている。
ハトムギ、乾物、香草、スパイス・・・どの具材も主張しすぎることなく、
それでいてそれぞれの個性が仲良く優しく手をつないでいるような水餃子。

中国の秘境に行っても出会えない。
ここにしかないオンリーワンの「按田餃子」。
もちもちの水餃子は、一口ほおばるとにんまり、笑顔になれる。
そして、やさしい気持ちになれる。

昔々、按田村にね・・・