青春のりんご
春が来たよ。
朝の青空に眩しく輝く太陽が告げている。
雪が解けて、アスファルトの道をスニーカーで歩ける。
北海道民にとって、もう、それだけで、存分に春なんだ。

春は旅立ちの季節。
真っ青な空を飛んで遠い外国へ旅したくなります。
昨日3月35日にコメンテーターとして出演させて頂いたHBC「今日ドキッ!」の特集は
「道民は海外に行く?行かない?第2弾!あなたは何しに海外へ」でした。
実は、パスポートの都道府県別の保有率では
①東京(31.2%)②神奈川(24.1%)③大阪(20.9%)に比べて
北海道は10.7%と全国平均の約17%を大幅に下回り、33位と低い水準。
この数字を見る限り、道民はあまり海外旅行にいかないようにも見えます。
広大な北海道が魅力的な観光地がいっぱいあるから、
わざわざ海外行かなくていい、北海道大好きだもん、という理由もありそうだし、
逆に広い道内各地から国際便へのアクセスがちょっと不便というのもあるかもしれませんが、
「道民は海外に行く?行かない?あなたは何しに海外へ」を探るべく、
番組の取材カメラが3月の新千歳空港国際線へ。
この季節の空港はいいよねぇ、特に国際線は、心が浮き立つ。
まず出会ったのはワーキングホリデーでフランス・パリへ向かう20代の女性。
パリではホームステイをしながらフローリストの修行をするそうです。
留学経験があるので英語は話せますが、フランス語は現地で実際に身に着けたいといいます。
夢を現実にするために空を飛んでパリへ行く。
フローリストの修行をしながら、生きたフランス語を自分のものにしていく。
まぶしい・・・素敵だ・・・そうだ、掴みたい夢があるなら、旅に出よう。
親友に見送られながら出発ゲートの向こうで手を振る笑顔は輝いていた。
もう一組は大学の軟式野球部のメンバー8人組。8人のうち7人が初海外でタイ旅行へ。
旅費はバイトで稼ぎ、タイの文化、自然、食を楽しみ、野球について熱く語り、英語は翻訳アプリで乗り切ったとか。
紹介された旅の写真、象に乗る、船に乗る、高層ビルに上る、最後は夕陽バックの8人組。
ザ・青春だ。若い時、友達と行った初めての海外旅行、これは人生の宝物だ。
私自身も、もう何十年も前になりますが、大学卒業前に友人4人組で行った人生初海外旅行は忘れらない。
「成人式の振袖はいらないから」と親に旅費を援助してもらって2週間のアメリカ西海岸の旅へ。
最初に着いたサンフランシスコ空港ではベトナム戦争終結後の難民申請を待っていたであろう人々の姿を垣間見、
頭で理解していた国際ニュースを肌で感じる最初の経験になりました。
サンフランシスコの坂道を走る路面電車、ゴールデンゲートブリッジ、デカいサンドイッチ、
ロサンゼルス、サンディエゴ、あ、そうだラスベガスにも行ったなぁ。
サンディエゴからメキシコ領ティファナまで日帰りで行けたことも記憶にある。
世界で最も忙しい「国境」だった。
60年代、「書を捨てよ、街に出よう」と言ったのは寺山修二。
小田実は知性と勇気に満ちた体当たり世界紀行「何でも見てやろう」を書きました。
それから世界は大きく変わり、旅のカタチやスタイルも変化しましたが、
人生初の旅の記憶は、あれから何十年経っても色褪せない。
80年代のアメリカ西海岸。グレイハウンドバスにも乗った。
延々と続く真っすぐな道。名も知らない小さな町で休憩のためにバスがとまった。
屋台で小さなリンゴを買った。
その甘酸っぱさままではっきりと覚えている。

どんな時代も、旅は、いい。
旅の記憶は、宝物だ。
青春のりんご。

