回らない回る

私事で恐縮ですが、本日3月14日はバースデー。
春生まれのせいでしょうか、この季節はなんとも心が動きます。
長い冬のトンネルを抜けて、雪解けが進み、冬靴からスニーカーに移る頃、
風はまだ冷たくても、日差しは春、前へ進む気持ちが沸いてきます。

そんなバースデーイブの昨日、夫のゴチで贅沢ランチを楽しみました。
「何が食べたい?」
「う~ん・・・回らないお寿司かな~?」
ってことで、予約して向かったお店がこちら。


「鮨棗」の赤レンガテラス店。
店名にちなんだ棗(なつめ)があしらわれた店構えには高級感が漂います。
2014年にすすきのに開店した「鮨棗」は札幌中心部、東京日本橋に計5店舗を構え、
職人技が光る握りを堪能できる名店。なかでも赤レンガテラス3階にあるお店はロケーションが魅力。


落ち着いた店内には10席のカウンターでベテラン職人がお出迎え。
大きな窓の向こうには四季折々の赤れんが庁舎が望める絶好のロケーション。
札幌の歴史が始まった景色を眺めながら、職人技の新鮮なネタのお寿司をいただける。
こりゃ、最高に幸せで贅沢なバースデーランチであります。

まずは生ビールで「お誕生日おめでとう!」乾杯。
そう、お誕生日だからね、ランチのセットメニューも用意されていますが、
ここは、憧れの、「おまかせ」でお願いいたしました。
ここから、職人さんが織りなす、回らない鮨劇場の幕開けです。


「はい、北海道産のソイです」
最初に握ってくれたのは、北海の鯛とも呼ばれるソイ。
コリコリとした食感、甘みと旨みが濃い、存在感のある白身、美味なり。
トップバッターの1貫目から極上のスタート、期待と食欲が増し増し♪

トロ、牡丹海老、縁側、牡蠣、赤身、烏賊・・・
タイミングよく繰り出される握りのすべてが抜群に美味しい。
丁寧に仕事されたネタとシャリのバランスも最高、
お口の中でほろりと崩れる心地よい空気感を含んだ握り、これぞ職人技。

さらに、ネタや握りの技に妥協がないことに加えて、とにかく居心地がいいのです。
カウンター越しの心地よい接客、符牒が飛び交う活気ある雰囲気、和やかなお客様の表情、
名店のお寿司を肩ひじ張らず楽しく味わえて、本当にみんな幸せそう。
お店全体、細かなところまで目配り気配りを大切にしているからでしょう。

金曜日のお昼時、カウンター席も満席でしたが、
インバウンドのお客様には職人さんが丁寧にネタを説明、
カンパチは「yellowtail」と英語で出していました。
またお隣の女性のお一人様にも自然に話しかけます。

「きょうはどちらから?」「大阪です」「そうですか」「あの、嵐で」
そうだった、昨日は嵐の札幌ラストコンサート初日だった。
「それは楽しみですね」「はい!」「いっぱい召し上がって下さい」「はい!」
なんだか、こちらまで嬉しくなって、幸せな気持ちになりました。

回るお寿司も家族や友達でわいわい楽しく味わえますが、
回らないお寿司の魅力は、こんなさりげない会話が心地よいBGMのように感じられるところかもしれない。
カウンターを挟んで職人さんとお客さんとお寿司が美味しいハーモニーを奏でる空間なのだ。
回らないけど、技と心と味が回る。
世界に自慢したい美味しい空間なのだとしみじみ思ったバースデーランチでありました。


回らない鮨劇場。
ラストは大好きな穴子。
ふっくら蒸して香ばしく炙った穴子、たまらん。
最後の最後は「玉」、卵焼きを切ってもらって、ご馳走さまでした♪