時を刻む鍋

今日で11月もおしまい。
霜月最後の朝は初冬の雨が降っています。
しとしと降る雨はこの季節としてはさほど冷たさを感じません。
日中の予想最高気温は昨日より7度も高い12度とか、なるほど納得。


昨日29日、コンサドーレ札幌は愛媛との今季最終戦を3-0で勝利。
目標のJ1昇格は果たせませんでしたが、若手の成長も期待できる試合内容でした。
そして、昨日は今季で引退する深井和希選手が先発出場、後半に交替する際には
ホームのプレミストドームは万雷の拍手、両チームの選手が花道を作って
度重なる怪我から何度も蘇った不死鳥、札幌一筋22年の背番号8を見送りました。

プロ入り後、膝を5回手術、今も階段の上り下りも痛むそうですが、
昨日のピッチ上の深井選手はそんな痛みや苦しみや悔しさなど微塵も感じさせませんでした。
中盤での安定したボールさばき、抜群のポジション感覚、ゴールへ向かう気迫、
アップで映る表情は爽やかで、平静で、どこか楽しそうで、
もうそれを見ているこちらが、泣けてきた。

「怪我ばかりの僕を応援してくれてありがとう」
試合後に行われた引退セレモニーでは関わってくれたすべての人々に自分の言葉で感謝を伝え、
最後にはこう言い切ってくれました。
「いつか監督としてこのピッチに帰ってくることを夢見て。ひたむきに努力していきたいと思います」
サッカーの魅力とプロ選手としての喜びとどん底を知り、何度も蘇った背番号8番。
深井監督がピッチサイドに立つ日をサポーターも夢見ています。

さて、そんな11月最後の週末、我が家の食卓は今季初のこのお料理。


冬のフランス家庭料理の定番「ポトフ」です。
ポトフ(pot-au-feu)はフランス語で「Pot(鍋)」と「Feu(火)」を合わせた言葉で「火にかけた鍋」という意味。
名前の通り、塊の肉や野菜を入れた大きな鍋を暖炉の火でことこと、ことこと長時間煮込んだ料理で、
中世から続くフランスの代表的な家庭料理であります。

またポトフは社会階級を問わずに愛されたお料理だそうで、
農民は手に入る身近な野菜と安価な肉を使い、貴族は上質な肉を使うなど
それぞれが、それぞれのポトフを楽しみ、フランス革命以降もポトフは国民食として愛され続け、
フランスの食文化に深く根づいているのでした。

寒い季節には、それぞれが、それぞれのポトフを楽しむ。
てことで、我が家の定番ポトフは手羽元と美味しいソーセージ、ごろごろ根菜&キャベツがお約束。
今回は上等な燻製厚切りベーコンとチョリソーで作ってみましたよ。
澄んだ黄金色のスープ、ほろほろのお肉、ほくほくのじゃがいも、にんじん、とろとろの玉ねぎ、キャベツ、
ベーコンとソーセージの旨みも加わって、やっぱ、ポトフ最高♪

「分断」や「排斥」など心が寒くなる言葉が目につく今日この頃。
一口食べれば、その温かさにほっと心がとけていくポトフ。
それぞれの暮らしに寄り添い根づいてきた冬の定番料理。
時を刻む鍋の温かさが沁みる。