ムーラン・ルージュ
スポーツの日の早朝。
日の出前の空はちょっとどんより、有明の月も見えず、スポーツ日和となるかどうか、ですが、
昨日はスポーツ観戦には最高の日曜日でありました。
ファイターズ劇的逆転勝利でCSファーストステージを制し、ファイナル進出を決めました!

どんより曇り空でも、今朝の気分は晴れ晴れ、昨夜の興奮の余韻がまだ続いているようです。
昨年のファイナルステージははソフトバンクに悔しい三連敗でしたが、福岡の借りは、福岡で返す。
福岡での忘れ物を、粘り強いファイターズ野球で取り返して、エスコンに帰ってくるんだ!
クライマックスはまだまだ、まだまだ続く、ひりひりするぅ~。
さて、沖縄から帰省した息子夫婦を迎えての先日の家族ディナーも、いよいよクライマックス。
小さな前菜、前菜、中くらいの前菜と続いて、満を持してメイン料理の登場です。
フランス料理の王道「Boeuf boueguignon=ブフ・ブルギニヨン」。
ブルゴーニュ地方の郷土料理で「牛肉のブルゴーニュ風煮込み」と訳されます。
「あの、時間のかかるヤツ、お願い」と息子たちからのリクエストもあり、料理番、頑張りました。
そーです、「ブフ・ブルギニヨン」、めちゃ美味しいんだけど、めちゃ時間と手間がかかるの(笑)
まずは食材から。白老牛のすね肉1kgをお肉屋さんに注文、黒毛和牛、美味いにちがいない。
あとは野菜、ハーブ類、フォン・ド・ヴォー、トマトペーストetc、そして赤ワイン。

ブフ・ブルギニヨンには、ブルゴーニュのワインを使いたい。
ブルゴーニュの赤ワインといえば、ピノ・ノワール、ってことで、こちらのワインを仕入れました。
もっと目の玉が飛び出るお値段のブルゴーニュワインもありますが、現実路線も大事(笑)
ブフ・ブルギニヨン、食材調達も色々、頭とお財布を使う(笑)。
さあ、前夜から仕込み開始。
白老牛をかなり大きめにカット、玉ねぎ、セロリ、人参、つぶしたにんにく、ホールの黒粒胡椒、
タイム、ローリエ、セロリの葉、パセリの軸を束ねたブーケガルニとともにバットに入れ、
ピノ・ノワールを1本、どぼどぼ注ぎ、落としラップをして冷蔵庫へ、一晩マリネしておきます。
マリネしないレシピもあるけれど、私はマリネ派、お肉にワインの風味と香りがのるのよね。
明けて当日。マリネ液から牛肉と野菜、ブーケガルニを取り出します。
赤ワインのマリネ液は鍋で加熱して3分の2くらいまで煮詰め、野菜はバターで炒めておきます。
牛肉は厚手のフライパンで小麦粉を薄くまぶして両面を焼き、炒めた野菜も加え、小麦粉少々を振り入れ、
全体がなじんだら、煮詰めた赤ワインを加えてから、ル・クルーゼの煮込み鍋に移し、
ブーケガルニ、フォン・ド・ヴォー、トマトペーストを加え、
アクを丁寧にのぞきながら、弱火で1時間半、煮込みます。
これが第一段階の煮込み。ま、ファーストステージね。
1時間半煮込んだら、第2段階、ファイナルステージの煮込み。
お肉を取り出し、煮汁と野菜を分けて、くたくたに柔らかくなった野菜類を漉していきます。
これが、なかなかの作業。ボウルに野菜を入れたざるを重ねて、木杓子や大きなスプーンで
がしがし、わしわし、こしあんを作るような要領で手作業で漉していくのです。
具材の旨みを凝縮させるフランス料理の技法でありますが、
プロのシェフたちはフランスの漉し器「ムーラン」という伝統的な調理道具を使います。
円錐形のボウルの上に漉し網があって上のハンドルを回すと食材を滑らかなピューレ上に漉せる優れもの。
フランスでは一家に一台あるとも言われますが、我が家のキッチンには、ない。
がしがし、わしわし、木杓子からスプーンに替えたり、また反対に替えてみたり、
ただひたすらに、くたくた野菜を、漉す漉す漉す・・・漉し続ける。腕がだるい・・・。
・・・ああ・・・ムーランが、欲しい・・・心底、そう思った(笑)
でも、肉じゃがほどの頻度でブフ・ブルギニヨン作らないしなぁ・・・
でも、あったら嬉しいなぁ・・・幾らくらいするんだろう・・・
そんな妄想をしているうちに、なんとか人力100%で野菜を濾しきった、私、エライ。
ボウルにたまった野菜のピューと煮汁と取り出しておいたお肉をル・クルーゼに戻し、
さらに弱火で1時間、ことこと、とろとろ、じっくり煮込んでいきます。
その間に付け合わせの野菜などを用意しましょう。
ペコロス(小玉ねぎ)は今回入荷していなかったので小玉の玉ねぎを4つにカット、
面取りしてシャトー型にした人参をバターで炒めてスープストックで5分ほど煮て
いんげんを加えて1分ほどで火を止めます。マッシュルームと拍子木に切ったベーコンも
バターで炒めて軽く塩、胡椒をしておきます。
同時進行で、じゃがいものピュレも作ります。
メークインを柔らかく茹でて、つぶしながら、バターと牛乳を加えて滑らかなピュレに仕立てます。
タサン志麻さんの鉄板レシピ、もう何度も作っているから、こちらはお手のもの。
さあ、ル・クルーゼのお鍋も1時間煮込みましたよ。
うわぁ・・・お肉はほろほろ、ソースはとろとろ、見ただけで食べる前から美味しい(笑)
器にお肉とソース、付け合わせの野菜、マッシュルーム、ベーコンを盛り付けて、
じゃがいものピューレを添えて、食卓へ。
さあ、召し上がれ、 Bon appetit ♪

「白老牛のBoeuf boueguignon=ブフ・ブルギニヨン」
前日の夜から仕込み、半日かけた力作なり。
もうね、お肉はほろほろ、濃厚で複雑でそれでいて繊細な香りのソースといったら、絶品!
時間と手間をかける価値のある一品であります。
赤ワインとお肉と野菜と香草とフォン・ド・ヴォーと・・・
食材の美味しさが凝縮された深い赤色のソースが魅惑的すぎる。
ムーランなしで、この深い赤、ルージュを作り出した自分を、自分でほめてあげたい(笑)
今宵の「Boeuf boueguignon」、心の中で秘かな別名をつけた。
「ブフ・ブルギニヨン~ムーラン・ルージュ風」(笑)
美味しかったよ。
ごちそうさま♪


