コック・オ・ヴァンヴァン
深まりゆく秋。
明け方の東の空はダークブルーに染まっていた。
こういう色のコートもお洒落で素敵かもねぇ。
札幌にも初雪の便りが届いたし、冬支度の季節ですね。

比較的暖かい我が家のリビングですが、
昨日の朝、さすがにちょっと冷え込みを感じて、今季初の暖房を入れました。
部屋の空気がほわぁ~っと暖まる。
あったかいんだからぁ♪と歌いたくなった(笑)
秋の深まりとともに食卓の登板回数が増えてくるのが煮込み料理。
ことこと、ことこと、とろ火で煮込む鍋の温かさは、おいしい暖房にもなります。
とゆーことで、昨日の土曜ごはんは、フランスの伝統的あったか煮込み料理を作りましたよ。
「Coq au Vin(コック・オ・ヴァン)=鶏肉の赤ワイン煮」であります。
フランス語で「Coq」は雄鶏、「Vin」はワインという意味で、
元々は肉質の硬い老いた雄鶏を赤ワインや香味野菜とともに柔らかく煮込むブルゴーニュ地方の郷土料理。
古典的なレシピでは鶏肉を一晩赤ワインや香味野菜でマリネしますが、
現在の肉質の柔らかい鶏肉で作る場合はかなり気軽に作れちゃいます。
今回は敬愛するタサン志麻さんのレシピをベースにちょいとオリジナル仕立てにしてみました。
まずは鶏もも肉を大きめにカット、手羽元とともに塩と黒胡椒をふって小麦粉を薄くまぶし、
フライパンで両面にこんがり焼き色をつけたら取り出して、ル・クルーゼの煮込み鍋に移し、
鶏を焼いたフライパンで玉ねぎ、にんじん、マッシュルームを炒め、
赤ワイン1本をどぼどぼ贅沢に豪快に注ぎ、それを煮込み鍋に投入します。
タイム、ローリエを加え、ここでオリジナル技、トマトペーストを入れてみました。
トマトの旨み甘みを濃縮したトマトペーストはブフ・ブルギニヨン(牛肉のブルゴーニュ風煮)でも使いますが、
洋風の煮込み料理などの超優れた隠し味になるのですね。
和食でいえば、赤味噌や白味噌などを隠し味に使う感覚と似ています。
さらに硬い雄鶏ではないので、蓋をしないで30~40分間ほど、比較的短時間で仕上げます。
これは志麻さんレシピで学びました。
ぐつぐつ、ことこと、う~ん、キッチンにワインとお肉と香味野菜の芳香が漂います。
このいい匂いだけで、食欲がわいてくる。絶対おいしい予感がしてくる。
40分ほど煮込むと・・・おおお~、深い艶やかなワインレッドの宇宙にうっとり。
最後に塩と黒胡椒、ほんの少しの蜂蜜も加えて味を調えたら出来上がり。
ほろほろに煮込まれたもも肉と手羽元をそ~っとお皿にもりつけ、人参とマッシュルーム、
そして夫がお知り合いからいただいてきた丹波の栗もお皿に散らして、
晩秋の森の風景を思わせる鳶色のソースをたっぷりかけたら食卓へ。

「Coq au Vin(コック・オ・ヴァン)=鶏肉の赤ワイン煮」
丹波の栗が立派過ぎてうまく剥けず、砕けているのはご愛敬(笑)
さあ、召し上がれ、Bon appe’tit!
艶やかな鳶色が・・・たまらない・・・
鶏肉はほろほろ・・・ナイフがいらないくらい柔らかい。
赤ワインの風味が鶏肉のすべてに沁みこんでいる。
鳶色のソースで煮込まれたにんじんとマッシュルーム、そして丹波の栗。
収穫の秋を祝うかのような一皿に感謝の心が湧き上がってくる。
「Coq au Vin(コック・オ・ヴァン)=鶏肉の赤ワイン煮」
複雑で重厚なフランス古典料理の美味しさを堪能できる一品でありますが、
実は、意外に気軽にそれほど長時間かからずに作れちゃったりするのです。
ポイントは、赤ワインをケチらないこと(笑)
高級ワインである必要はありません。
ブルゴーニュ産のコスパの良い一本でも、どこの国のワインでもいけます。
酸味や渋みなどワインの個性はプラスワンのアイデアで調整する楽しみもあります。
蜂蜜やトマトペースト、それこそ白味噌を使うシェフもいるようですよ。
深まる秋。
冷え込む季節はことこと煮込み系がいい。
「Coq au Vin」赤ワインは、どぼどぼ、がおすすめ(笑)
コック・オ・ヴァンヴァン♪


