おいしいボーダー

パン屋さんに

お菓子もあり

お菓子屋さんに

パンもある

おいしいボーダー

今年のバレンタインをきっかけに発見した素敵なお店が

札幌の住宅街にある「L’air du temp(レール・デュ・トン)」。

フランス語で「時の流れ」という意味のパティスリーは

ベルギーで修業したオーナーパティシエが2020年6月にオープン、

宝石のようなベルギーショコラや美しいケーキが輝く店内には

もうひとつ、フランスやベルギーのパティスリーと同じように

クロワッサンなどの焼きたてのパンも並んでいて、

そばに近づいただけでふわりとバターの芳醇な香りが漂います。

これらのパンたちは「ヴィエノワズリー」と呼ばれます。

「ウィーン風の」という意味のフランス語で、

マリー・アントワネットがフランスにお嫁入りした時に

美味しいパンがないとフランス全土から食材を取り寄せて

ウィーンに負けない美味しいパンを作らせたことが語源とか。

「ヴィエノワズリー」とは、クロワッサンやブリオッシュなど

バターや砂糖、卵などをたっぷり使ったリッチなパンの総称で、

これらを作るのは本来お菓子職人=パティシエの仕事で、

パン職人=ブーランジェは作らなかったと言われています。

もちろん、今ではパリやブリュッセルの街を歩くと

パン屋さんにもクロワッサンやケーキが置いてあるし、

お菓子屋さんにも焼きたてパンが並んでいたりしますが、

今でも頑固にヴィエノワズリーは焼かないブーランジェもいるようです。

フランスやベルギーではブーランジェもパティシエも

免許がないと名乗れないプロフェッショナルな資格。

ブーランジェは生地をこね、発酵・成型、焼き上げるパンのプロ職人、

パティシエは小麦粉、バター、卵、乳製品など使ったお菓子のプロ職人、

どちらも美味しさを追求するプロですが、アプローチがそれぞれ違うのですね。

ブーランジェのヴィエノワズリーはパンの素材にこだわる職人気質の作り方、

そしてパティシエが作るヴィエノワズリーはケーキの作り方がベースなので、

ショコラやフルーツなどの素材や見た目や食感、バターなどの香り、風味に

こだわったお菓子職人ならではパン、なのですね。

「L’air du temp(レール・デュ・トン)」に並んでいるのは

まさにパティシエが作る「ヴィエノワズリー」とというわけ。

どれもこれも美味しそうで悩みましたが、

今回は王道のパン・オ・ショコラとレザンをゲット。

どちらも、悶絶級の絶品!

パン・オ・ショコラはパリッ&サクッ、幾層にも折り重なった生地は

もうほとんど折りパイ生地のようでバターの芳醇な香りとショコラが魅惑的。

洋酒漬けのレーズンと濃厚なクレームパティシエール(カスタード)が

折り込んだレザンも、ほぼほぼケーキのような繊細な味わいでした。

パン屋さんのお菓子。

お菓子屋さんのパン。

どちらもプロの矜持が光る境界に並んでいる。

おいしいボーダーを行ったり来たりの幸せ♪

(写真は)

「L’air du temp」の

窓辺に並ぶヴィエノワズリー

パリやブリュッセルの街角みたい