かぶらライン
県境に国境
世にボーダーは
数あれど
知らなかった
かぶらライン
名残りの桜に誘われて、
昨日の金曜ごはんは、久しぶりの和食にいたしました。
桜のはんなりした風情を愛でていると、
この季節は無性にだしの味が恋しくなるのですね。
むふふ、すでに3日前から旬の春ホッケの西京漬を仕込んであります。
さあ、どんな春の和食のお献立にいたしましょうか。
ご近所スーパーの野菜売り場を見定めていると
あった、嬉しい!大好きな春野菜を発見。
旬を迎えた春のかぶ、です。
春の七草にも数えられる「すずな」はかぶのこと。
桜が咲く頃になるとみずみずしい緑の葉付きで店先に並び、
その真っ白なお姿はほんにうるわしゅうて、買わずにいられません。
丸々とした実と緑の葉と茎を切り離しますが、
葉っぱも美味しくお料理しますのでもちろん取っておきます。
まんまるなかぶの皮を剥き、縦半分にカットしたら
昆布と鰹節のお出汁を丁寧にひきましょう。
金色のお出汁に味醂、酒、醤油、少々の石垣の塩を加え、
鶏胸肉のひき肉を投入、よくほぐしながら火を入れ、アクをとり、
おろし生姜を加え、かぶを入れて落とし蓋をしてことことことこと
柔らかくなるまで煮含め、水溶き片栗粉でとろみをつけたら完成。
「春のかぶのそぼろ煮」
そっとやさしく小石原焼の飛び鉋の大鉢に盛りつけます。
繊細なかぶの一品はやさしく木のお匙でいただきましょう。
ふぅふぅ・・・ぱくり・・・お・・・美味しい~~~!!!
やさしいかぶの甘さとおだしと鶏の旨みが沁みる~♪
はんなり、ほろほろ、淡くお口の中に溶けていく。
かぶのそぼろ煮を食べるとなんかいい人になったような気がする(笑)
こんな優しい味わいの煮物を食べて、怒る人はいない。
イライラしたら、落ち込んだら、春のかぶのそぼろ煮を作るべし。
かぶの原産地はアフガニスタンあたりといわれ、
日本書記にも記されているほど日本でも古くから愛されています。
赤かぶ、白かぶなど地域独特の在来品種が数多く存在し、
その数80以上とされ、日本は世界有数のかぶ大国なんだとか。
そして、かぶを調べていくうちに、驚くべき事実を発見。
日本には、かぶに関する重要な「ボーダー」が存在する?
全国で栽培されているかぶの品種分布には境界線があるのだそうです。
その名は「かぶらライン」。
愛知~岐阜~福井を結んだ「かぶらライン」を境に
東西のかぶに明らかな違いが存在し、はっきりと二分されるのだとか。
東日本は原産地アフガニスタンからヨーロッパを経て伝わった「西洋型」、
西日本は中国から伝わった「日本型」といわれます。
伝来した時期は定かではありませんが、およそ1500年前には伝わり、
多彩な風土を持つ日本の各地の気候に順応したかぶが土着したようです。
県境、国境、世にボーダーラインは数あれど、
まさか、天下分け目の「かぶらライン」があろうとは。
四季の変化があり山や川や海に恵まれた多彩な気候風土を持つ日本。
遠いアフガニスタンで生まれたかぶも暮らしやすかったのでしょうねぇ。
「春のかぶのそぼろ煮」を楽しみながら、
とすると、この株は「西洋型」かと気づく晩春の金曜ごはん。
はんなり、甘く、やさしいかぶを、しみじみ味わう。
目を閉じると・・・はるか昔の生まれ故郷が、
美しいアフガニスタンの風景が浮かぶような気がした。
(写真は)
「春のかぶのそぼろ煮」
かぶらライン分布によれば
アフガニスタン~ヨーロッパ経由の
「西洋型」のかぶちゃん、らしい


