鴫と茄子
地球を
1万キロを
旅する渡り鳥と
夏野菜のご縁
鴫と茄子
爽やかな五月晴れ?六月晴れ?YOSAKOI晴れ?
朝から心地よい青空が広がり、
ベランダの洗濯物も気持ちよさそうに揺れています。
今日はお出かけ日和の日曜日ですね。
季節は初夏、食卓にも夏野菜の出番が増えてきました。
この週末は夫の好物の茄子をたっぷり使った定番料理を作りましたよ。
「茄子とピーマンの味噌炒め」。
茄子とピーマンを味噌で甘辛く炒め煮したおなじみの家庭料理ですが、
不思議な別名がついていますよね。
「茄子の鍋しぎ」。
茄子を縦に切り練り味噌を塗って焼いた田楽を江戸では「しぎ焼き」と呼び、
そこから鍋を使ってつくるしぎ焼きが「鍋しぎ」という名前となり、やがて
茄子の味噌炒めを「茄子の鍋しぎ」と呼ばれるようになったというのが通説。
「しぎ」とは鳥の鴫(シギ)のことで、
調理された茄子の形が鴫に似ているとか、
あるいは切り取った茄子のヘタが鴫の頭部に似ていたとか言われますが、
どれどれ、そもそも「鴫(シギ))」ってどんな鳥さんなの?
シギ科は日本国内で17属58種が確認されていて、
干潟や砂浜、河川敷、水田などの水辺で見られる渡り鳥。
長いくちばしを使って水中をつつきながら移動する優雅な姿から
昔から和歌など詩歌にもよく詠まれてきました。
その「シギ」さんの写真をよ~く眺めてみましたが、
う~ん・・・可愛い鳥さんですが、頭が茄子のヘタに似てる・・・か???
ちょ~っと微妙(笑)、むしろ茄子のヘタは、そう、河童に似てる。
てことは、「茄子の鍋かっぱ」になっちゃうね~(笑)
むむむ、茄子の鍋しぎ、ますますミステリーが深まりますが、
さらに別の説を発見、江戸より古い時代に茄子をくり抜き、
鴫の肉と山椒味噌や柚子味噌を詰めた「鴫壺焼」なる料理があったそうで、
のちの江戸時代になると鴫を食用とする習慣はなくなり、
鴫なしの茄子の味噌田楽が「鍋しぎ」となったとされています。
そうなんです、実は「鴫(シギ)」はおいしい鳥だったようで、
今でもヤマシギはフランス語で「Becasse」と言い、ジビエの王様、
ジビエのロマネコンティなどど呼ばれる歴史ある高級食材。
ちなみに日本では狩猟法により鴫を獲ることはできません。
まあ、茄子のヘタの形が鴫に似ている説よりは、
かつての鴫壺焼説の方が説得力があるような気がしますねぇ。
野性味あるジビエの鴫を山椒や柚子味噌とあわせて茄子に詰める。
食材を大切に美味しく頂こうと努力する先人の知恵を感じます。
ちなみにシギ科の鳥は北半球の繁殖地と南半球の越冬地を移動、
その距離はなんと1年に1万キロ以上だそうです。
地球を小さな体で超長距離移動する渡り鳥シギにとって
美しい日本の水辺は安心して羽を休められる楽園だったのでしょうね。
一方、茄子はインドの東部で生まれ、古代ペルシャ、アラビアに伝えられ、
やがて東南アジア、チベットから中国、日本へと旅してきた野菜。
地球を1万キロ旅した「鴫(シギ)」と夏野菜「茄子」のご縁が面白い。
夏の定番お惣菜「鍋しぎ」ミステリー。
鴫と茄子のお話でした。
(写真は)
「茄子の鍋しぎ」
夏を感じるお惣菜
青しそ買い忘れちゃった
でも、おいしかった


