煙の迷宮

とあるビルの地下

美味いと噂の

その店があった

赤々と熾きた炭

ああ煙の迷宮よ

最高の真夏の週末!

今日も札幌は夏空が真っ青に晴れ渡り、

カラッと湿度のない北海道らしい心地よい夏の空気、

もう毎日、こんなお天気だったら、人生パラダイスだな~♪

そんなゴキゲンな週末前夜、昨日の金曜日は

学生時代の友人夫婦が来札、夕食をともにいたしました。

目指すは知る人ぞ知るジンギスカンの名店「炭焼き八仙」であります。

超人気で予約困難らしいですが、友人が運よく予約をゲット。

「八仙」とはいえばジンギスカン好き、肉好きが必ず名前を挙げるお店。

大通西15丁目にあるお店は一度だけ訪れたことがあります。

ススキノの「炭焼き八仙」は初訪問、今は経営が別れているようですが、

どちらも塩ジンギスカンが有名で2店とも高評価を得ているようです。

実は前夜、友人から。予約時間を変更できるか電話をかけ続けているが、

ず~っと「通話中」、あの予約もちゃんと取れているか心配・・・とのLINEが。

私も電話かけてみましたが、確かに営業開始の18時以降、全くつながらない。

繁忙期の夏、忙しすぎて対応できないのだろうか・・・。

一抹の不安を抱えながら、開店5分前にお店が入っているビル前で

友人夫婦と待ち合わせ。久しぶりの再会を喜ぶ前に

「大丈夫だった!予約とれてた!」とのOKサインで喜び2倍(笑)

開店時刻の18時きっかりにビルの地下へ降りていくと・・・

ビル地下の一番奥に「炭火焼き八仙 塩ホルモン」の小さな看板。

すでに3組ほどのお客さんが列を作って開店を待っていました。

すると白タオルを頭に巻いたおじさんが出てきて、名前を確認、

大通店と間違えて来た方もいたようで、やや混乱気味に列は進む。

「はい、4名ね、荷物はそれに」と指示された先を見ると

店先に大きなビニール袋がスタンバイ、なるほど荷物をこれに入れて

ニオイがつかないようにするのね、雨の厚別観戦スタイルだ。

実は事態を想定して家から人数分のビニール袋を持参していたのですが、

コレが八仙スタイル、すでにお約束だったのね。

指示に従い、バッグやお土産などをわさわさ入れていると、

「ああ、あんまり大きくしないで、足元に置くから、狭いよ!」と

またまたおじさんの指示が飛ぶ。決して愛想が良いとは言えないけれど、

不思議と嫌な感じはしない、不愛想というよりぶっきらぼう、

これも、八仙スタイル、店の味かもしれない。

いささかの緊張感をはらみながら(笑)いざ入店。

おおお~~~!狭い店内にステンレス張りの8人掛けの大きなテーブル2つ、

穿った穴に七輪が埋め込まれて赤々と熾きた炭火が・・・暑い、灼熱。

焼き鳥屋さんか鰻屋さんの焼台の前にいるみたい。

申し訳程度の小さな流しで、もう一人のおじさんが背中を向けて

黙々と新鮮な羊肉を包丁で切って皿に並べています。

周りの壁は過去に訪れたお客さんが張った無数の名刺が茶色に変色、

その隙間に埋まるようにお品書きらしき手書きの文字がありますが、

数は少なく、名物の塩ジンギスカンを注文するのがまずは賢明と判断。

生ビールで乾杯して、久しぶりの再会を喜びながら乾杯!

「はい、お肉ね」

背中を向けてひたすらお肉を切っていたおじさんがくるりと振り返り、

テーブルに置いたお肉を見て、一同、感動、驚愕。新鮮!分厚い!

軽く厚さ2cmはありそうな羊のお肉は薔薇色で美しい。

赤々と熾きた炭火の上に網に載せた瞬間、じゅわ~もわ~!!!

ものすごい煙がダイレクトで顔面を直撃!

おそらく対面のエアコンの風向きとダクトの風量の兼ね合いらしい。

「煙が目に沁みる」ってスタンダードナンバーがありましたが、

まじ、目が開けられない、熱い、でもお肉旨そう、もうカオス(笑)

お肉を切ってたおじさんが「ごめんね、ちょっと調節するからね」と

意外に(笑)優しくエアコンの風向きを直してくれた。

ほどなく煙はまっすぐダクトに吸い込まれていく傾向(笑)。

そうです、基本、煙も、味、なのだ。

するともう一人のおじさんが手早く焼けたお肉をハサミでカット、

「レアでも食べられる新鮮な肉だから」とちょっと自慢げ。

いただきます!ぷりぷりのお肉を・・・パクリ!

うっわぁぁぁぁぁ!!!コレは、何だ?!柔らかっ!美味っ!美味過ぎる!

超柔らかくて、脂っぽさなど微塵もなく、羊特有のニオイはゼロ!

かみしめるほどに濃厚な旨みが口中に広がり、A5ランクの牛肉みたい。

ジンギスカンの概念がひっくり返る味だった。

恐るべし、煙の迷宮、炭焼き八仙。

旨い、旨過ぎる。

調子にのってわしわしお肉を網に載せ、食べるのが追いつかなくなると

「ほら、焦げるよ!」とおじさんの叱咤激励が飛んでくる。

一番美味しいタイミングで食べてほしいとお客の網の様子は見逃さない、

おじさんたちのぶっきらぼうな愛情にやられる。

お店は開店早々満席、たった二人のおじさんはフル回転で働いてた。

気がつけば2時間の滞在中、一度もお店の電話は鳴らなかった。

というか、狭い店内で電話機自体確認できなかった。

お客さんの波が引くまで電話など出られないのだろうと納得した。

長らく札幌に暮らしながら、

友人夫婦の来札がなければ、出会えなかった煙の迷宮。

遠いどこかの異国に旅したくらいの非日常感を味わえた。

なにもかも味わい深かかった。

ごちそうさま「炭焼き八仙」さん。

(写真は)

赤々と熾きた炭火

極上の羊肉

煙までも美味しい

「炭焼き八仙」