お皿以外のこと

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食は

ここと

あそこを

結ぶもの

お皿以外のこと

食卓で世界を旅することは楽しい体験。

色々な国のお料理をちょっと真似たり、アレンジしたり、

スパイスやハーブなどを使って冒険するのも楽しいもの。

旬のお野菜をちょっと異国テイストで仕上げみましたよ。

「白かぶのステーキ~大人ピリ辛肉味噌仕立て」

この時季しか出回らない北海道産の白かぶを

あれこれ色々なレシピで楽しむ今日この頃、

今回は中華風、なんちゃって四川風でお料理しました。

白かぶはオリーブオイルで両面こんがり焼いて、

生姜、にんにくのみじん切りと鶏ひき肉を炒め、豆板醤、紹興酒、味噌、

オイスターソース、鶏ガラスープを加えて水溶き片栗粉でとろみをつけ、

焼いた白かぶにとろりとかけたら、完成です。

焼いて甘みが増した白かぶとピリ辛の肉味噌がベストマッチ。

ちょっと四川料理を思わせる旨辛肉味噌が旬の野菜を引き立てています。

むふふ、なかなか、いい出来ね。

なんちゃってモダン中華というところでしょうか。

今や世界各地の本場の味を日本のレストランで手軽に楽しめますが、

特に近頃注目されているのが「ガチグルメ」。

日本向けにアレンジされていない本場の中国料理「ガチ中華」などが

話題になっており、メディアでもよく取り上げられています。

先日の新聞で食研究を専門とする社会学者が

こうした「ガチグルメ」ブームにある懸念を指摘していました。

食は社会を映す鏡であり、異文化理解につながる可能性がありますが、

はたして、お皿以外に目を向けられているだろうかと。

「料理」だけが食文化ではなく、ガチグルメのレストランで働く人やお客は

なぜ、どこから来たのか、食材はどこから届いたのか、

食べながらどんな話をしているのか、お皿以外に目を向けると

食を取り巻く「人々の物語」が見えてくるといいます。

はっとしました。

本場のガチグルメ行こうぜ、うわ、珍しい、おお、美味い、で終わってはいないか。

その食の背景にある人々の物語に目を向け、耳を傾け、関心を待たねば

「お皿」を消費するだけ、まさに「おいしいとこどり」になってしまう。

社会学では移民が母国と移住先の両方に帰属意識を維持するプロセスに注目、

彼らにとって「食」は「here(ここ)」と「there(あそこ)」をつなぐ存在で

慣れ親しんだ味を再現し、同様のルーツを持つ仲間を共有することで

安心感を得るといいます。

「食」を再構築して、ここではない、あそこで生きる覚悟を確認するのだ。

まだガチグルメブームもなかった80年代、

当時は少なかった東京のカンボジア料理店を訪れたことがありました。

お料理もとても美味しかったそのお店には母国を懐かしむお客さんが多く、

その中にとても柔和な笑顔をたたえた男性がいました。

料理を運んできたお店の人が、

「あの人ね、有名な俳優さん、キリングフィールドの人よ」と教えてくれたのです。

70年代ポルポト政権時代の大虐殺を描き、85年のアカデミー賞を受賞した作品で

助演男優賞を獲得したハイン・S・ニョールさんだったのです。

自身もクメール・ルージュに捉えられ4年の苛酷な収容所体験を経て、

アメリカに難民として渡った経歴を持つ俳優さんが

東京のカンボジア料理店で母国の食を味わっていた。

お皿だけでは決して終わらない、

カンボジアという国の歴史、人々の物語を痛切に感じた体験です。

お店を出る時に、ハインさんはにこっとこちらを見て微笑んでくれ、

思わず、下手な英語で「映画を観ました。素晴らしかったです」と

たどたどしく伝えたら、さらに笑顔を深くして「Thank you」と

ぎゅっと握手をしてくれたことを覚えています。

その手は、とても温かった。

ここと、あそこを結ぶもの

お皿以外の人々の物語。

心を寄せたいと思う。

★★★本日5月7日(水)HBC「今日ドキッ!」に

コメンテーターとして出演させていただきます。

どんな話題に出会えるのか、わくわくドキドキで行ってきまーす!

(写真は)

「白かぶの大人ピリ辛肉味噌仕立て」

旬の素材を

異国のテイストで味わう

食は異文化理解の一歩