彗星革命
1万2800年前
地球が
寒の戻りだった頃
それは、起きた
彗星革命
ちょっと、いや、かなり驚きの記事を二つ朝刊で発見。
まずは世界気象機関(WMO)が発表した驚愕の事実。
2023年は史上最も暑い年となる見通しで、世界の平均気温は産業革命前よりも
1.4度上昇、この数字は、なんと最終間氷期、現生人類がアフリカから
ヨーロッパに渡った頃、12万5千年前以来の暑さだったそうです。
「史上」も「史上」、12万5千年前以来って、凄すぎる。
そんな地球の歴史上、これまで幾つもの「革命」がありましたが、
科学面にはもうひとつ、ぶっ飛ぶ「革命」に関する記事がありました。
「農耕の始まりは彗星の空中爆発?」
なになに?どーゆーこと???
約1万2800年前、現在の中東シリアにあった村で彗星が空中爆発し、
人々が「狩猟採集」から「農耕放牧」へ生活のかじを切っていたことが
遺跡を調べた米英の研究チームの調査でわかったのだそうです。
人類史の「革命」と言われる農耕は、彗星の落下がきっかけだった。
まさに「彗星革命」と呼びたくなるではありませんか。
研究チームが調べたのは中東シリア北部の遺跡「アブ・フレイラ」。
ユーフラテス川に近く、農業起源の地とされる「肥沃な三日月地帯」にあり、
現在はダムの底に沈んでいますが、沈没前に発掘された地層や遺物を分析。
すると約1万2800年前の地層から2千度以上の高温で溶けた鉱物や
地球の岩石にはほとんど含まれないイリジウム、プラチナなどが高濃度で検出、
急激な加熱と冷却によってできたダイヤモンド微粒子や融けた骨などが見つかり、
彗星が空中爆発、大量の破片が降ったと考えられるそうです。
さらにその前後700年間に栽培されていた品種を調べたところ、
温かく湿った気候で育つ野生のマメ科植物やベリー、梨などの果実が
1万2800年前を境に育たなくなり、代わりに大麦や小麦などの穀物や
豆類が増え始め、羊などの家畜化を始めた痕跡も出てきたらしい。
その頃の地球は「ヤンガードリアス期」と呼ばれる急激な寒冷期に入り、
温暖な地球が「寒の戻り」に見舞われた時期、気温低下が1千年以上続き
多くの哺乳動物が死んだとされますが、この寒冷期をもたらしたのが「彗星」。
地球の60カ所以上で当時の彗星爆発の痕跡が確認されているそうです。
シリアの遺跡の上空で爆発した彗星は直径5㌔ほどの「エンケ彗星」とみられ、
50~100mほどの破片=溶けた岩が降りかかり、遺跡の人々はほぼ全員死亡。
空中爆発によって気候が変わり、植生が変化、今まで食べていた動植物が
手に入らなくなり、飢餓を逃れるために人類は狩猟採集をやめ、
農耕牧畜に生活のスタイルを切り替えたと研究チームは見ています。
6500万年前、メキシコ・ユカタン半島に小惑星が落下して気温低下、
恐竜が絶滅したとされますが、この時の小惑星の大きさは十数㌔とか。
1万2800年前にシリアに落ちてきた彗星爆発の破片ははるかに小さく、
「人類は恐竜よりは幸運だった」と研究チームのケネット教授は話します。
旧約聖書には神の怒りを買った都市ソドムは「天の火」に焼かれたとありますが、
空から人類の想像を超えた「火」が落ちてくるといった物語は
古来からたくさんあります。彗星の空中爆発の記憶が
人類のDNAのどこかに刻み込まれているのかもしれませんね。
彗星爆発の直撃を受けて多くの人々が亡くなりましたが、
残された人類は急激な気候変化に耐え、今までの常識を捨て去り、
新しい生き方を模索し実現させて「農耕」という革命を成し遂げたのだ。
恐竜たちが生き延びられなかった苦難を
人類は決断と知恵で乗り越え、生き延びられたのかもしれない。
彗星革命。
地球の歴史に記したい人類の貴重な歩み。
農耕と天体と壮大なドラマに
しばし圧倒された冬の朝だった。
(写真は)
人類が彗星爆発で
凹んでいたら農耕は始まらず
小麦も牛乳も卵もなかった
ケーキなんて食べられなかった
ありがとう、人類


