三つの世
唐の世から
大和の世
大和の世から
アメリカ世
三つの世
一年で一番寒さが厳しい時季ですが、
日中はプラスの気温が続き、真冬日にはしばらくご無沙汰。
でしたが、今日から明日にかけてお天気は下り坂、
気温も下がってくるそうで、春まだ遠し、です。
雪の札幌から冬の沖縄旅リポート、Jimmy’s 編を続けます。
旅の4日目は宜野座村でぎのざジャム、沖縄市(旧コザの「TESIO」で
絶品シャルキュトリーをゲット、お昼は泡瀬漁港「パヤオ食堂」で
県民食「魚のバター焼き」を堪能し、朝食用に沖縄パン文化の聖地
宜野湾市「宗像堂」でパン好きを虜にする天然酵母パンを仕入れました。
今夜は那覇の定宿ホテルに宿泊、翌朝の札幌への飛行機の時間が少し早いので、
朝食はお部屋でコーヒーを淹れて「宗像堂」の天然酵母パンとの企み。
さらにフルーツとヨーグルトも欲しいな~と同じ宜野湾市大山にある、
県民御用達の洋菓子&洋食&スーパー「Jimmy’s」一号店に立ち寄りました。
「Jimmy’s」は戦後、米軍基地で働いていた創業者稲嶺盛保氏が
基地内に焼かれるアメリカのパイやケーキのおいしい香りに魅了され、
沖縄の人たちに豊かな食文化とおいしい香りを届けたいと
1956年に大山に小さなグローサリー(食品雑貨店)を開いたのが始まり。
大山店は半世紀以上愛され続ける「ジミー」の原点となった場所なのです。
沖縄本島を南北に貫く国道58号線沿いにある大山店。
赤煉瓦造りにヤシの木、広い駐車場を備えたアメリカ風の店舗に到着。、
・・・ん?いつもと様子が違う、超激混み!!!
すでに満車の駐車場に次から次へとやってくる車を
誘導スタッフが一生懸命、交通整理をしています。
あ、そうだった!今日は、クリスマスイブだった。
アメリカンスタイルの大きなホールケーキやパイが人気のジミー、
だよねー、クリスマスケーキもジミーだよねー、
チキンもオードブルもジミーだよねー、
一年で一番忙しい日に、うっかりのんびり訪れてしまった(笑)
何とかレンタカーを停めて、大きなツリーが出迎えてくれる店内へ。
うわっ!凄い!人・人・人!!!
予約したクリスマスケーキを受け取る人、チキンやオードブルを選ぶ人、
ワインや食品をカゴにどんどん入れる人、レジ前は長蛇の列で大賑わい。
人気のレストランも本日は臨時休業のようです。
でもね、クリスマスソングが流れるイブの「Jimmy’s」、
激混みだけど、誰も切羽詰まってなくて、みんな幸せそうな笑顔だった。
我先にと買い物する人など一人もいない。
賑やかでおおらかでやさしいイブの買い物風景を見ていると、
このアメリカンな場所がいかに沖縄の人々に愛されて続けてきたのかよくわかる。
「唐ぬ世から 大和ぬ世 大和ぬ世から アメリカ世
ひるまさ変たる 此ぬ沖縄」。
島唄の名手として知られる嘉手刈林昌が唄った有名な一節です。
小さな島国だった琉球、沖縄が経てきた三つの世(ゆー)。
琉球王国時代は中国(唐)に仕え、400年前には薩摩に侵略され、
琉球処分によって大和の支配下に。そして激烈な沖縄戦終了後は
大和(日本)から切り離され、米軍統治下のアメリカ世(ゆー)へ。
三つの世は絶えず大国の影響や支配を受けてきた歴史を象徴しています。
お金はB円からドルへ、肉や豆の缶詰がどっさり入ってきたアメリカ世。
「Jimmy’s」の店内を歩いていると、沖縄の暮らしにアメリカの食文化が
共存していった歴史を肌で感じます。大豆水煮やひじき煮の缶詰の横に
チリビーンズやひよこ豆などの横文字の缶詰がずらりと並び、
大きなアメリカンなパイやケーキやマフィンやクッキーもあれば、
島豆腐やゴーヤーもある店内には今もアメリカ世がちゃんぷるーしている。
「ひるまさ変たる 此ぬ沖縄」
三つの世「不思議に変わってきたこの沖縄」と歌う島唄は
苦難が続いた時代の流れと変化をどこかユーモアをまじえて見つめ、
支配や戦争にくじけず心を合わせて立ち上がろうとたくましく唄います。
アメリカの大きなケーキを買って帰ろう。
イブの食卓をみんなで楽しもう。
「Jimmy’s」の賑わいと笑顔の中で
沖縄の三つの世を、思う。
(写真は)
「Jimmy’s」一号店
英語の缶詰がずらりと並ぶ
チリビーンズとひじき煮が隣り合う
かつてアメリカ世の時代があった


