塩と卵と月

春の恵み

いつでも

おいしく

美しく

塩と卵と月

昨日、日経平均株価は3万8800円台となり、

1984年12月の史上最高嶺に迫り、終値も34年ぶりの高値水準を更新。

アメリカの株高に加え、国内企業業績への期待感などから

今週だけでも株価は1500円以上と急ピッチの上昇を続けています。

週明け以降に史上最高値を更新するか、

市場の関心もヒートアップ、していますが、

株価上昇ほどに生活が豊かに、いやそれ以前に

ラクになっている実感は、あまりありません。

はたして物価上昇を上回る賃上げが実現するのか、

不安定な雇用環境が改善されるのか、

子育て、医療、介護、福祉、どれもこれも課題山積。

株価最高値のニュースと暮らしの乖離を感じる人は多いと思います。

よき春となりますように。

さて、冬の沖縄旅のお土産編を続けましょう。

昨年のクリスマス休暇で訪れた4泊5日の沖縄旅の最終日、

朝の那覇散歩で偶然見つけた台湾食材専門店でゲットしたのが

日本ではなかなかお目にかかれないレアなスイーツ。

「蛋黄小豆月餅」。

(塩卵黄・あずき入り月餅)と日本語表記もされていました。

そうです、塩漬け卵=鹹蛋(シェンタン)入りの月餅です。

中国の中秋節には欠かせない伝統的なお菓子であります。

旧暦の8月15日の中秋節は春節の次に大きなイベント。

月を眺めながら家族が集まって輪になり団らんの時を過ごし、

丸い月餅を分け合って食べることで家族円満、幸福を願います。

その中秋節の月餅には満月に見立てた鹹蛋の卵黄を入れるのがお約束。

甘いあんことちょっとしよっぱい卵黄の組合せは

はじめて食べると、一瞬???となるかもしれませんが、

これがなかなかクセになる、ハマる美味しさなのであります。

塩大福や塩まんじゅうにも近い中国伝統の塩スイーツと言えましょう。

鹹蛋は中国、香港、東南アジアなどの中華圏で昔から作られていて、

さまざまな料理やお菓子の材料や調味料として疲れています。

35%の塩水にアヒルや鶏の卵を殻付きのままひと月ほど漬け込むと

卵白は液状に、卵黄のたんぱく質粒子は固体化し保存可能となります。

今のように品種改良される前の鶏やアヒルは春になると産卵を始め

秋には産卵を終えるのが自然のサイクルで、

卵は1年中食べられるものではありませんでした。

そのために塩漬けする鹹蛋やアルカリ性の泥に浸ける皮蛋といった

卵の保存方法が編み出されたのです。

特にシンプルな方法で作れて、クセのない鹹蛋は

さまざまな料理やお菓子に使われてきたのですね。

秋の中秋節に食べる月餅も保存食材である鹹蛋があったから、

満月に見立てて入れることができたってわけ。

塩と卵と月のおいしい関係には

美食を追求する知恵と歴史があったからこそ。

沖縄旅で仕入れた「蛋黄小豆月餅」を割る。

黄色いお月さまが、出た。

(写真は)

那覇の台湾食材店でゲット

「蛋黄小豆月餅」

黄色いお月さまは

鹹蛋なり