あるお別れ
とうとう・・・来ました。
お別れのときが。
晴れの日も雨の日も風の日も雪の日も
暖かい空気と温かいお湯を供給し続けてくれたウチの「ボイラー」さんが
天寿を全うする日が・・・やってきました。
日曜日の夕食の支度を終えて、
さあ、ビールが冷える間にお風呂お風呂~♪と
浴槽のふたを開けると・・・湯気がたっていない・・・
お湯は入っているが、ぬるい・・・
あわてて、キッチンの蛇口をひねるが、温水は出ない・・・
いつまでたっても冷たい水が悲しげに落ちてくるだけ。
そういえば、ぼわ~んという「ボイラー」さんのいつもの頑張ってる運転音、
聞こえてなかったかもしれない・・・。
長年苦楽を共にしたあなたの寿命が尽きるときがとうとう来たのか・・・。
新築で買ったマンションも、
いくつもの春夏秋冬を重ねて、
設備も住民も、色々とケアが必要な時期に入ってきました。
入り口やアプローチ階段などデザイン的には素敵でも、
バリアフリー的には親切でなかったり、
外壁や給水タンクなど計画的な大規模修繕の時期が次々とやってきたり、
小さな赤ちゃんだった子供たちは大きくなって、
働き盛りだった大人たちは少しずつ背が曲がり、小さく見えてきて。
建物も人も、若いままではいられません。
各戸で次々と入れ替え工事が進む中、
ウチの「ボイラー」さんは現役で頑張ってくれてました。
一般的に暖房・給湯機器はおよそ10年で更新が必要とされますが、
その平均寿命の2倍近くは頑張ってくれていたのです。
ボイラー界の三浦雄一郎か、日野原先生か。
予兆はあったのです。
シャワーが突然冷水になったり、運転中の赤ランプが点滅したり。
「往診」に来てくれたガス屋さんからは
「おそらく基板かと思われますが、もうこの製品の部品がないんですよね~」
「ですよね~、年、ですものね~、
時間が経つとまた動いてくれたりするんですけど・・・」と
一縷の望みを捨てきれない私に
「う~ん・・・時間の問題でしょうね」
延命措置の手段はない現実がばっさりと告げられました。
だから、覚悟はしていたのです。
週明け月曜日、ガス会社に連絡して、後継機種を注文します。
そんな朝にも
「ボイラー」さんは、なぜか息を吹き返して、
けなげに「ぼっ」と点火音を響かせて
温かいお湯を供給してくれているのです。
ありがとう。
「ボイラー」さん。
最後の最後まで、働いてくれて。
あなたが現役でいる間に、エネルギー環境は大きく大きく変わりました。
温かいお湯や暖房が当たり前のように供給される暮らしは
決して当たり前ではなかったんだということを
私たちはあの震災で原発事故で思い知りました。
あなたを動かすエネルギー源の安定供給をどう作っていくのか、
難しい、でも、避けて通れない問題に、この国は立ち向かおうとしています。
あなたとお別れする予感の月曜日。
「米国が日本へのシェールガス輸出を初承認の意義を経産相が強調」
そんな朝刊の特集記事も
蛇口から出る温かいお湯と無縁ではないんだと、しっかりと読みました。
札幌のきょうの予想最高気温は25度。
万が一、動けなくなっても、暖房やお湯が出なくなっても影響の少ない気温です。
そんな今年初の夏日にゆっくり消えようとする「ボイラー」さん。
あなたはどこまで優しいのでしょう。
本当にありがとう。
さよなら。
初代の「ボイラー」さん。
(写真は)
いつもの風景が戻った桜の名所円山公園。
主役は「桜とジンギスカン」から初夏の新緑へ。
緑の芝生の上でお弁当広げてピクニック中の若者グループの姿も。
「火気使用」じゃなくても青春は楽しめる。
いいなぁ。人生の新緑のような青い季節。楽しめよ~。

