父の甘納豆
4玉5万円のスイカ。
恐れ多くて三角に切ったてっぺんからはかぶりつけそうもない(笑)
札幌中央卸売市場で今年初の北海道産スイカの初競り、
景気良く4玉5万円の値段がつけられました。
「北の国から」の富良野産、麓郷黒小玉スイカ。
北海道に夏が来る!嬉しくてついちゃったご祝儀相場、
スイカのやさしい甘みが嬉しい季節がやってきました。
この一粒の甘みもまた優しく懐かしい。
甘納豆。
先日の女子会、東京出張帰りの女子友から、
赤坂の老舗の甘納豆をおみやげにもらっちゃいました。
「お多福豆」「抹茶白花豆」「落花生」の3種類。
昔ながらの製法に現代のテイストもプラス、パッケージも和モダン、
老舗の甘納豆も日々進化しています。
抹茶をまぶした白花豆の甘納豆は苦みと甘さのコントラストが絶妙。
男性にもおすすめしたいお味です。
「すぐ食べちゃいたいけど、父の仏前にまず、お供えするわ。
大好きだったの、甘納豆」。
お洒落な甘納豆を手にした先輩女子の言葉に思わず反応。
「父も、うちの父も、甘納豆、大好きでした」。
先輩の父上もそうでしたか。
高度成長を支えた昭和の男たち、意外に甘納豆派が多かった?
お酒の飲めない父は
会社帰り、たまに自分用のおやつを買って帰ることがありました。
袋入りのきなこねじりだったり、金時豆の甘納豆だったり。
チョコやビスケットなど家にある子供用のおやつではない、
働く男のおやつ。
それは仕事の疲れともやもやを解消してくれる
甘い晩酌であったのかもしれません。
老舗の極上甘納豆などではない、
近所の小さな食料品店か駄菓子屋さんで買ってきた袋入りの甘納豆。
本当に豆の色が隠れるほど、粗いグラニュー糖が真っ白にまぶされていて、
「範子、食べるか?」と無造作に開けた袋を差し出してくれたりした。
断っちゃ悪いような気がして(笑)一粒だけつまんで口に入れる。
あっまぁ〜い・・・
お砂糖とお豆だけの甘みは、
チョコやキャラメルなどの「子供おやつ」の甘みとは違って、素朴で強烈だった。
「まだ、食べるか?」
「うん・・・もう、いい」。
夕ご飯前の、本当はおやつ食べちゃいけない時間帯の、
昭和の夕暮れのささやかな思い出。
そうかぁ、先輩のお父様も好きだったんだ、甘納豆。
日々の疲れを、しんどさを、甘納豆で癒していたお父さんが、
父のほかにもいたんだな〜。
スイーツ男子と呼ぶには、素朴すぎて、ちょっと切ない
夕刊眺めながら、ぽちぽち甘納豆つまんでいた、昭和のお父さん。
甘納豆と聞くと、
いまだに、夕暮れと会社の黒鞄と夕刊の匂いを思い出す。
あさっては父の日。
デパ地下でちょっと上等の甘納豆買ってこよう。
いつも同じ顔で笑っている父の口元がにんまり緩むかもしれない。
(写真は)
赤坂の極上甘納豆トリオ。
落花生の甘納豆は珍しい。
甘くて柔らかくて香ばしいナッツ風味の甘納豆。
クセになる味です。

