百年おやつ
旅に出たら、
その土地、その街で愛され続けるおやつを探しましょう。
お土産屋さんや空港のショップでは目にすることはないけど、
街の市場や昔ながらのお菓子屋さんの店先に毎日並んでいる。
素朴で、一個から売ってくれて、子供のお小遣いで十分買える値段で、
初めて口にするのに、無性に懐かしい気持ちになる優しい甘さ。
それはスイーツでもお菓子でもなく、あくまで「おやつ」。
今朝7月20日(土)のAIR-G’「野宮的コフレ」のテーマは
「沖縄で見つけたいとしきもの」
沖縄で100年以上愛されてきたおやつ「タンナファクルー」をご紹介しました。
黒糖と小麦粉と卵だけで作られた素朴な素朴な焼き菓子。
黒糖味のソフトクッキーのような食感。
ひとくち頬張ると、その懐かしい味に、泣きたくなります。
黒糖の香りと優しい甘さ、
おばぁも小さな子供も安心して食べられる歯ごたえは
誰も拒まないおおらかさがある。
沖縄の庶民に100年以上愛されてきた「百年おやつ」であります。
そんな「おやつ」を食べると、
その街の素顔が理屈抜きにわかるような気がします。
「タンナファクルー」。
不思議な語感。一瞬、何語かわからなくなりますが、れっきとした沖縄の言葉。
「タンナファ」は「玉那覇」、「クルー」は「黒い」の意味。
首里の玉那覇家が考案したことから、「タンナファ」、
黒糖の色から、あるいは、その玉那覇さんが色黒だったから「クルー」、
そんなユニークな由来が伝えられています。
昔ながらのお菓子屋さんには普通に並んでいる「タンナファクルー」、
いくつか食べ比べてみましたが、
「丸玉製菓」の「タンナファクルー」がイチオシです。
しっとりした食感、黒糖の風味、サイズ、マルタマのが一番好き。
国際通りのスタバの角を折れて、沖映通りに出ます。
個性的なショップが並ぶニューパラダイス通りと交差するあたりに
「タンナファクルー」と書かれた黄色い庇とのぼりが見えます。
その間口一間ほどの小さな小さな店が丸玉製菓の直売所、
那覇市内ではここ一軒だけ。売ってるのも「タンナファクルー」だけ。
潔さが気持ちいい。
「今日のおやつ」用に嬉しい3個入りの小袋と、11個入りの袋の2種類。
11個入って300円。庶民のお財布に優しい値段。
でも・・・何で、きりのいい10個ではなく、11個なの?
1個は「おまけ」の気持ち、なんだそうだ。
百年愛されるには、わけがある。
私とマルタマのタンナファクルーの出会いはうりずんの春。
ガイドブックも地図も持たずに
ゆいれーる(沖縄のモノレール)の見栄橋駅を降りて、
何となく国際通りに向かって、ぷらぷら、てくてく、歩いていた時、
おや?この黄色い庇の小さなお店は・・・?と足を留めたのが初対面。
初めての街、懐かしい街、縁あって途中下車した街。
寄り道、道草、「ゆらりら」してみて下さい。
きっと、百年おやつに出会えます。
土地の人に愛されるわけこそ、
自分がその街に恋するわけなんだと、わかります。
素朴なおやつは、実は、雄弁です。
(写真は)
シンプルな峠の茶屋的店構え。
「丸玉製菓直売所」。
おみやげにたくさん買ったら、
「これも良かったら食べて~」と、
ほんのちょっと底が焦げたりしたのをどっさり袋に入れてくれた。
ちょっぴり日焼けした(笑)タンナファクルー、
どこにも売っていないレアな百年おやつだ。

