果物の憂鬱

日曜日の朝。

みずみずしい新鮮なフルーツで休日ブランチ、

これぞ人生の贅沢という素敵な風景ですが、

本当に贅沢な特別な朝食になってしまうかもしれません。

若者の果物離れ。

この間の確か「めざましテレビ」だったと思うのですが、

(すみません、朝の準備でばたばたしていて、ちょっとうろ覚え)

果物を食べない若者が増えてきたと言ってました。

グレープフルーツ、リンゴなど「皮をむくのはめんどくさい」のが理由。

果物が嫌いなわけじゃないんだけど、

わざわざ買ってきて、自分で果物ナイフで皮をむくなんて

考えただけでめんどくさいらしい。

年齢別の消費傾向を見ても、

60代などはたっぷり果物を食べていますが、

年齢が若くなるにつれて、どんどん減り、20代は底。

果物全体の消費量も年々、減少傾向が止まりません。

メロンに桃、宝石のような苺にさくらんぼ、

色・形・味・香り・甘さ・バランス、

フルーツパーラーに燦然と輝く果物などは、もはや芸術品の域に達しています。

日本の果物のレベルは世界一と言っていいほど素晴らしいのに、

肝心の若者が食べてくれないなんて、

果物たちもさぞ憂鬱なことでしょう。

皮をむくのがめんどくさい。

では、リンゴの皮をちゃんとむけるか否か。

街中テストの場面が紹介されていたのですが、

リンゴの皮を「ピーラー」でむいた若いママがいたのにはびっくり。

一度果物ナイフで指を切ってから、ピーラー派になったそうですが、

それがまた、実に器用に丸いリンゴをピーラーでシャリシャリむいていく(笑)

真っ赤なほっぺのリンゴも

まさかピーラーでじゃがいものように皮をむかれるとは想定外だったろう。

果物は好きだけど、何だかめんどくさい。確かに否定はしない。

冷蔵庫を開けるたびに、ラップのかかったスイカの食べ残しが

いつまでもそのまま・・・ということも、なくはない。

ラップをとって、小さく切って、種を出して、皮を始末して・・・、

ああ、何だかめんどくさい、今は、パス!

忙しい日常の隙間に、果物を入れこむ余裕がなくなるのだ。

でも、食べやすいように一口大に切って、保存容器に入れておくと

いつのまにか、きれいになくなっていく(笑)

果物は好き。

誰かが皮をむいてくれたら、もっと好き。

つまり、そういうことか。

カットフルーツが売れるのも、生ジュースバーが人気なのもうなづける。

誰かがむいてくれているものね。

その人件費に高いお金を払っているわけです。

でも、ふと思う。

「リンゴでもむこうか」。

ひとつのリンゴが丁寧にま~るくむかれて

さくっさくっ、

食べやすい八つ切りの半月型に切られて、

爪楊枝など刺されて

「はい、召し上がれ」。

誰かに果物をむいてもらう。

誰かのために果物をむく。

それは3分もかからないけど、なんて贅沢な時間だろうか。

ひとつのリンゴを真ん中に

今年は暑いとか、雨が多いとか、だからリンゴも甘いとか、酸っぱいとか、

そういえば宿題はどうなのとか、お隣がリフォームだってとか、うちもとか、

お盆の帰省何日にするとか、手土産はお菓子でいいかしらとか、

最近、元気ないけど疲れてないかとか、無理しないで休んだらとか、

いつか行きたい旅のこととか、家庭菜園のミニトマトの出来とか、

あらら、あんまり甘くなかったわ、このリンゴとか・・・

そんなたわいもない話が無重力状態で交わされるゆるやかな時間。

たわいもない話にまぎれて

なかなか言えないことも切り出せたり、

話せたりすることだってあるかもしれない。

カットフルーツもおいしいけど、

そんな時間まで全部カットしてしまうのは

ちょっともったいない。

誰でもない、

ちょっと疲れた自分のために

日曜日、一個の果物でもむいてあげませんか。

めんどくさい時間が

けっこう大切だったりするものです。

(写真は)

南国果物の女王

「沖縄 宮古島産マンゴー」

観光客ゾーンよりさらに奥に入った地元市場ゾーンの青果店、

朝9時過ぎ、宮古島から、収穫したばかりのマンゴーが入荷。

国際通り価格の半値近くで超新鮮、超高品質。

迷わず、札幌まで宅配便で送った。

梅雨明けが早かった今年の沖縄、

マンゴーの出荷も例年より10日ほど早いらしいとか、

宮古のマンゴーは、夕張メロン的なブランドになりつつあるらしいとか、

無事に到着したマンゴーをむきながら

よもやま話にふける。

果物の憂鬱よさらば。