葉月の憂鬱
葉月です。
今日から8月。
月めくりのカレンダーを7月から、もう一枚めくる時、
かすかな憂鬱を感じるのは北国に住む人間だからでしょうか。
ああ、もう8月になっちゃった・・・
夏も残り少ない・・・のか・・・。
そんなとりこし苦労的な北国感覚。
葉月、秋風月、雁来月、木染月・・・。
8月の異称はどこかに秋の気配を漂わせています。
旧暦の季節感覚なのも大きいのですが、
これが北国感覚にかぶる。
暑い夏もお盆の頃にはひっそり影をひそめ、
秋風を思わせるような涼しさに包まれるのが北海道の8月。
蝉しぐれもいつにまにか止み、山には青いススキすら見かけ、
朝晩は半袖の肘がすこし肌寒く感じる。
最近は気候変動なのか、暑い夏が長期化する傾向にありますが、
それでもカレンダーが8月になると、
夏の終わりを覚悟する北国DNAが存在する。
北海道は道外に比べて夏休みの始まりも遅く、しかも短い。
8月20日あたりには2学期の始業式が始まる。
「わ~い、夏休みだ~!遊ぶぞ~!」
7月いっぱいは夏休みが永遠に続くような開放感でいっぱいだけど、
カレンダーが8月になったとたん、
夏休み終了に向かってのカウントダウンが静かに始まる。
花火大会だ、プールだ、海だ、おばあちゃんちだと、浮かれているうちに
あっという間にお盆が来て、ご先祖さまと一緒に夏休みも行ってしまう。
「え?夏休みもあと3日?」なんて、真っ白の原稿用紙を前に、真っ青になる。
だから、自由研究や読書感想文など大物系は
7月中にめどをつけておかないと、お盆とともに泣く羽目になるのだ。
葉月という言葉も知らなかったあの頃、
子供心に8月はかすかに憂鬱を伴った月だった。
夏休みは永遠じゃない。
物事には始まりがあれば終わりがある。
いい大人になった今でも、
カレンダーが8月に変わると、少し切ない。
ましてや、子供の昼ごはん作らなきゃならないし、
遊びにも連れてかきゃならないし、
ああ、お盆、お墓参りに帰省・・・夫の実家・・・やってくるお客さん・・・
「母さん、昼、そーめんでいいよ」、
そーめんでいいったって、茹でるのがそもそも暑いんだから!
オンナの8月はやはりちょっと憂鬱。
でも、葉月。
1年でもっとも緑濃く、自然の息吹をアクティブに感じる季節だ。
人生でいえば20代後半から30代というところか。
かすかに肉体の変化を感じながらも、まだまだ若い。
人生は永遠じゃない・・・と、かすかに気づき始めるかもしれないが、
カウントダウンにはまだまだ早すぎる。
ほんの少しの憂鬱をはらみながらも、まだまだ人生の夏まっ盛りだ。
8月は始まったばかりだ。
真夏日の気配がしたら、
迷わずノースリーブを着よう。
かき氷を食べよう。
大通公園のビヤガーデンも行かなくちゃ。
憂鬱に酔ってる暇などない。
北国の夏は宝物なんだから。
(写真は)
大人の夏休み。
糸満の旧家を改装した古民家ごはん屋さんにて。
青空、シーサーを載せた赤瓦、風の通る広い縁側。
夏休みは永遠じゃないことを知っているからこそ
大人には夏休みが必要なんだ。

