寂しい庭

忙しさを口実に数年さぼっていたベランダガーデン。

あるべき場所に花のない空のプランターほど

寂しいものはありません。

唇に歌を、ベランダには花を。

いかんいかん、秋が来る前に夏のお花を植え込んであげよう!

昨日の夕方、心を入れ替え(笑)

久しくごぶさたの園芸店まで車を走らせました。

夏の終わりから秋にかけて小さなベランダを彩るお花。

さあ、どんなお花があるかな。コスモスとか秋草系もいいかもね♪

わくわくしながら鉢が並ぶビニールハウスの中に入りました。

が・・・あれ・・・寂しい。

華やかなサフィニアやインパチェンスなどが色とりどりに咲いてはいますが、

花の種類も限られていて、数も少なめ、

ビニールハウスには空きスペースが目立ち、百花繚乱にはほど遠い風景。

立秋過ぎた園芸店のハウスは夏の終わりの切なさがいっぱい。

「この時期、本州なら秋用の鉢が入荷するんですけど、

北海道はもう、新しい花は入ってこないんですよ」。

お花の少なさに悲しそうにしている私にお店の人が説明してくれました。

そうなんだ。

お盆過ぎたら急に涼しくなって、秋は駆け足で通り過ぎ、長い冬が訪れる北海道。

短い夏の終わりにお花を植えても、楽しめる時間は限られている。

だから、北海道には秋草系の花鉢は入荷しない。

確かにね、確かに、そうかもしれないけど、何だか寂しい。

そんなにあっさり、きっぱり、ドライに割り切らなくてもいいじゃない。

「どうせ、すぐ雪降るんだから、

ぐずぐず庭なんていじってないでとっとと冬支度したら」ってこと?

寂しい。

夏の終わりに秋が来ないお庭を想像してみて下さい。

夏の花たちが枯れた後を慰めてくれる秋草がいない風景なんて寂し過ぎる。

季節のバトンを渡そうにも次の季節が待っててくれないと

夏だって困るだろう。

なればこそ、いっそう華やかにしようではないか。

気を取り直し、濃いピンクのニューギニアインパチェンスと

葉っぱも元気な黄色いガーベラに白と紫の小ぶりなサフィニアなどを選び、

土曜の夕方、季節遅れのガーデニングにいそしみました。

というか、白状すると

正確には、「緑の親指」を持つ母にアウトソーシング(笑)

お花たちもグリーンサムにいじってもらった方が気持ちいいだろうし、ふふっ♪

枯れた仲間も目立っていたビニールハウスから

我が家の小さなベランダのプランターに移住してきたお花たち。

今朝見ると、すっかり新しい住まいになじんでくれたようで、

昨夜あげたお水をごくごく飲んで、すっかり細胞が活性化、

葉っぱの先までピンと夏空に向かって背伸びしています。

おはよう。

今日も暑くなりそうだ。

夏はまだまだ続きそうだよ。

狭いベランダだけど、

安心して夏の終わりと小さな秋をここで迎えておくれ。

「緑の親指」はないけれど、

お水も欠かさずあげるし、毎日「きれいだね」って言ってあげるから。

だから、安心して、咲いておくれ。

寂しくなんかないからさ。

(写真は)

小さなベランダがお庭になった。

大きな花、小さな花、緑の葉っぱ、

それぞれがひとつひとつ美しく、そして集まってさらに美しく。

一人で生きられる強さがあるからこそ

誰かとともにある幸せを感じることができる。

草花に人生の極意を教わる。