春の鈴音

雪解け

芽吹き

桜咲き

畑から聴こえる

春の鈴音

花冷えの週末。

咲き始めた桜並木の花もつぼみもちょっと寒そう。

お花見にはかなり寒い気温ではありますが、

花もちは長くなるかもと期待する土曜の朝であります。

いささか気温は低くても、桜が咲いた、春爛漫。

そうだ、やっぱり、春は和食が恋しくなる。

ということで、昨日の金曜ごはんは和食三昧、

北海道の春いちばん、おいしい春野菜をいただきました。

主役は道南七飯町産の白かぶ。

雪解けのあと真っ先に収穫が始まり、北海道に春を告げる野菜です。

函館近郊の七飯町は明治時代に開拓使よる農業試験場が置かれた場所で、

温暖な気候を生かしてさまざまな野菜が道内でもいち早く収穫されます。

なかでも春の白かぶの生産が盛んで、道内作付面積の2割を占め、

4月中旬からハウスでの収穫が始まっています。

ご近所の青果店の店先にも、それは美しい七飯町産白かぶが入荷、

真っ白な愛らしいフォルムに一目惚れ、即ゲットしました。

みずみずしさと凝縮した甘みが自慢の七飯町産白かぶ。

さあ、どんな一品にお料理しましょうか。

海老あん、鶏ひき肉あんで仕上げるのもいいし・・・

よし、今回は、治部煮風のあれにしてみよう。

「かぶと鶏肉のつるんとろん煮」。

まずは緑鮮やかな葉を3cmほど残し、皮をお尻の方から剥いていきます。

落とした葉はちゃんと別の一品に使いますよ。

大きめのかぶを食べやすい大きさに放射状に6等分にカット、

昆布と鰹で引いた一番出汁に醤油、酒、味醂、塩を加え、かぶを投入、

紙の落し蓋をしてことこと柔らかくなるまで煮ます。

鶏胸肉はそぎ切り、塩少々と酒で下味をつけておきます。

かぶが柔らかくなったら、鶏肉の水分をふき取り、片栗粉をまぶして、

重ならないように鍋に入れ、9割ほど火が通ったあたりで火を止め、

余熱で鶏肉に火を通します。ここで煮すぎると固くなるのね。

石川県の伝統料理「治部煮」のテクニックの応用であります。

お気に入りの小石原焼の飛鉋の器に盛りつけすりおろし生姜を添えましょう。

「春の七飯町産白かぶと鶏肉のつるんとろん煮」の出来上がり。

さあ、召し上がれ。

まずはかぶにそっとお箸を入れる・・・うわ、柔らか、そとお口へ。

う、わぁぁぁ・・・とろける~、おだし沁み沁み、たまらん。

そして鶏肉、お~っと、お箸から逃げ出しそうなくらいにつるんつるん、

ぱくり・・・う~ん、やっぱりつるんつるん、めちゃ柔らか!

片栗粉をまぶしてさっと煮る治部煮式、さすがの口当たり。

とろんとろんのかぶと、つるんつるんの鶏肉、沁み沁みのおだし、もう絶品。

春の白かぶの別名は「スズナ」。

花の形が鈴に似ている、丸い形が鈴のようだからなど、語源のは諸説あり、

スズナは白い根菜部分ではなく、葉の部分を指すらしいのですが、

春いちばんのかぶと鶏肉のとろんつるん煮、あまりに美味しくて、

道南七飯町の畑の方角から鈴の音が聴こえてくるような気が、した(笑)

さあ、長い冬が明けた。

緑が芽吹き、桜が咲いた。

豊かな大地、畑から

春の鈴音が聴こえる季節だ。

(写真は)

「春の七飯町産白かぶと

  鶏肉のつるんとろん煮」

かぶはとろんとろん♪

鶏肉はつるんつるん♪