大人の顔

靴と人間は良く似ている。

長年働いてきた人間のしわも

長年履きこまれた靴のしわも

お手入れ次第で誰にも負けない魅力になります。

秋は大人の顔した靴を丁寧に磨いて履きこなしましょう。

本日9月14日(土)のAIR-G’「野宮的コフレ」のテーマは

「よそおいの秋」。

「とろみブラウス」や甘辛ミックスの元祖「ココ・シャネル」、

そして再び注目の「ビットつきシューズ」のお話をしました。

「ビット」とは「金具」のこと。

馬具の金具をモチーフにしたグッチの「ホースビット・ローファー」や

「ホースビット・モカシン」が代表格。

今年で発表から60周年というブランドのアイコン的存在でもあります。

60年代のハリウッド俳優たちに愛され、

バブル期まっただ中の80年代の日本、

お洒落好きがこぞって履いていたビット・ローファー。

流行は繰り返すと言いますが、30年経って、時代はひとめぐり、

新しい価値観を持って再び脚光を浴びているようです。

クラシカルで、長く愛され続ける大人の顔をした靴として。

お子ちゃまには出せない魅力。

お子ちゃまには履きこなせない、着こなせない。

ユーザーにもある種の覚悟と義務が必要なのが

真のブランド品なのかもしれません。

品物が生み出される歴史とストーリーを味わい、

手に入れた靴や洋服をいとおしみ、

丁寧にお手入れする手間と時間を惜しまない。

未来に向かって忙しいお子ちゃまには難しいけど、

靴と同じだけ、顔にしわを刻んだ大人には楽しみでさえある。

バブルにGO!のさなか、

香港のグッチブティックで買ったピンクベージュ、

ハワイで買ったアイスブルーのホースビット・ローファー。

どちらもあまりに汚れやすい色であまり履かなかった(履けなかった?)

おかげで、20数年経った今も、色褪せもなく、現役だ。

この雨が晴れたら、久しぶりに履いて出かけようか。

秋色の北緯43度の街へ。

バブルの絶頂期より

顔のしわは増えたが、

その分、人生の味わい方も増えた。

年を重ねるのも、

悪くない。

(写真は)

お洒落色過ぎて、現役感をキープできたビット・ローファー。

運動会には、もったいなくて履けなかった(笑)