シンデレラの食卓
「もっとお洒落をしてくれば良かった」。
女性にとってそんな嬉しい後悔さえ感じる素敵な空間で
シンデレラ気分のフレンチを楽しむ。
たまには、そんな一夜があってもいいですよね。
おとといの夜、
札幌市内の瀟洒なレストラン「ル・アンジュkoo」で
女性だけの楽しいお食事会が催され、ご縁あって参加させて頂きました。
青い熱帯魚が泳ぐ水槽とワインカーブに挟まれたエントランスから
うっとり非日常の空間が始まります。
「何か、素敵なことが起こりそう・・・」。
そんな期待を抱かせる食空間は、照明、調度品、お花、食器・・・
すべてが美しく、ソムリエさんまで、美しいイケメン、完璧(笑)。
美しく洗練された一皿一皿はお味も盛り付けも素晴らしく、
何より、それを丹精こめて作ったシェフの言葉に感動しました。
「一口召し上がって、誰もが、ああ、美味しいと感じてもらえる
そういうお料理を作りたいと思っています」。
特別な舌を持つグルマンや食通だけを唸らせるためではなく、
季節に一度、一年に一度、一生に一度、
精いっぱいのお洒落をして来て下さるあらゆるお客さまのためにも、
誰もが美味しいと感じる一皿を作りたい。
優しい心のこもった繊細な一皿をかみしめながらいただきました。
私は食通でもワイン通でも何でもありませんが、
数少ない体験の中から感じるのは
本当の一流のレストランとは、決してお客さまを緊張させないものだということ。
パリのある三ツ星レストランをはじめて訪れたときのこと、
緊張しながらも「お水を」とリクエストすると、
黒服の銀髪の給仕長はやおら、
テーブルの真ん中に飾ってあったカラーの花の首をむんずとつかみ、
「ウィ!」とわざとドスのきいた声で答え、
実にチャーミングなウインクをしてくれたのです。
その瞬間、私たちの緊張は笑いとともにはじけ飛んで、
テーブルには楽しい美味しい食事への期待が膨らんでいきました。
一流の空間には一流のおもてなしがありました。
決してお客さまをおどおどさせない温かなおもてなしが。
いつもの食卓とは違う非日常の空間。
いつもよりちょっと背伸びしたお洒落をして、
いつもよりちょっと緊張してエントランスに足を踏み入れると
そこには温かなおもてなしの笑顔と
一口食べて、ああ美味しいと嬉しくなるお料理が載った
シンデレラの食卓が待っている。
自分の住む街に、
そんなレストランが1軒あれば、
いつか、その日のディナーのために、
今日一日の仕事も家事も頑張れる。
シンデレラの食卓。
次に訪れるときは
どんなドレスにしよう。
想像するだけで、わくわくする。
(写真は)
「ル・アンジュkoo」の窓辺の風景。
小さな空間を名画の小品のように小粋に飾る。
シンデレラの食卓は細部まで美しい。
次に行く時の王子様は、どう調達しよう(笑)



