色々の秋

黄色、金色、これは何色・・・。

ため息、そして、言葉を失う美しさです。

北大のイチョウ並木の黄葉がまさに見頃を迎えました。

広い広い北大キャンパスの構内は

一瞬の秋を愛でようと繰り出した善男善女でお祭りのような賑やかさ。

秋の日差しを浴びて黄金に輝くイチョウ並木をそぞろ歩き。

最高に幸せな土曜日のお散歩でした。

「この美しさは、いったい何色?」

隣でつぶやく夫の素朴な疑問ももっともであります。

黄色、黄金色、どれも合っているようで、ほんの少し違うようで。

「う~ん・・・銀杏色?」ととりあえず誤魔化す(笑)。

北大の学生さんにとっては「金色」に見えるようで

銀杏並木の見頃に合わせて「金葉祭」を開催中。

グリークラブの合唱や弦楽四重奏、カントリー&ウェスタンの生演奏が

秋色に輝くキャンパスにさらなる彩りを添えていました。

幸せな銀杏散歩から帰宅して、こっそり愛読書をひもとく。

染色家の第一人者吉岡幸雄著「日本の色辞典」。

「黄系の色」のページをめくると・・・

ほお~、「黄朽葉色」、というのですね。

「朽葉」とは秋が近づいて

緑から紅葉へと色が移って散るまでの木々の葉をあらわす言葉。

そこにさらに黄が冠せられる「黄朽葉色」は

まさに銀杏が色づいていくさまをあらわす美しい日本の色の名前。

鮮やかな美しさの中に

底抜けに明るい黄色とはどこか違う、

かすかかすかな憂いを秘めた銀杏の色。

「黄朽葉色」。

季節を尊ぶ平安時代にこうした色の名前が生まれました。

王朝の女人たちを装う襲(かさね)の色に残されています。

十二単に代表される女房装束は

何枚もの衣装を重ねる平安時代の重ね着ファッション。

そこに四季折々の自然を移そうとしたのが「襲の色目」(かさねのいろめ)です。

秋の「黄朽葉の襲(かさね)」は

安石榴(ざくろ)で染めた朽葉色と刈安の朽葉色を重ねた微妙なグラデーション。

現代の秋冬ファッションにも通用するシックな色目は

パリコレに出品したくなるほどお洒落です。

そういえば、晩秋のパリの黄葉も実に見事でありました。

パリのお洒落さんにも自慢したい「黄朽葉の襲」。

晩秋の日曜日。

野山は今、何色に色づいていますか。

青朽葉、黄朽葉、赤朽葉、・・・。

季節の彩りの妙を美しい名に残す。

先人たちの美意識に脱帽する色々の秋であります。

(写真は)

北大キャンパスの「黄朽葉色」並木。

銀杏の一瞬の美。

何だかバンザイしたくなる。

平安朝の女人にはなれない(笑)