もんぶらんの情景

冬はつとめて。

月曜日の早朝、遠くの山並みは鈍色の雲に覆われていますが、

白い雪帽子はまだかぶっていないようです。

日中の気温も昨日よりはやや高めになる予想、

きょうは薄手のニットでも大丈夫。

ヨーロッパではこんな風に山を眺める暮らしから、

私たちも大好きなお菓子が生まれました。

「モンブラン」

晩秋から初冬にかけての森の恵み、栗をたっぷりと絞り出したケーキ。

こんもりとした姿は名峰モンブランを模したもの。

先日、NHK「美の壷」でもこのお菓子を特集していましたが、

何でもモンブランという山はフランスとイタリアにまたがるため、

お菓子もそれぞれのモンブランの姿をしているのだそうです。

なだらかな山肌が美しいフランス版モンブランは

栗のクリームを優しくこんもりと絞り出した姿。

一方、雪に覆われた急峻なイタリア側のモンブランは

円錐形の白い生クリームがそびえ、

その山裾に栗のクリームが敷かれています。

フランスモンブランとイタリアモンブラン。

毎日眺める山の姿がそのままお菓子に映し出されました。

そしてもうひとつ、日本のモンブラン。

明るい黄色の栗クリームがふんわりと山高く絞り出された

日本のケーキ屋さんの昔ながらの定番ケーキ。

「苺ショート?シュークリーム?それともモンブラン?」

ケーキを選ぶときのだいたい3番目あたりの定位置を確保しています。

お洒落なパティスリーのフランス風モンブランも惹かれるけど、

黄色い昭和モンブランはわが心のケーキ。

茶碗蒸しの中の栗の甘露煮のように、懐かしい甘さ。

昭和モンブランはケーキ屋さんが作る和菓子に近い。

栗のクリームを絞り出すのは「小田巻」とよばれる和菓子の道具。

木の持ち手に直角につけられた金属の筒の先端には複数の穴が開いていて、

餡や練りきりを細い麺状、糸状にするときに使います。

和菓子の材料としてなじみ深い栗を

昔ながらの和菓子の道具で作られた日本のモンブラン。

その姿も味わいも洋菓子なのに、限りなく和菓子に近い。

どれにする?

ケーキの箱からお菓子を選ぶとき、

ふだんケーキを食べないような男性やお年寄りが指差すのは

たいていがモンブランだったりする。

洋菓子はあまり食べないけど、モンブランは好き、という人も多い。

黄色い栗クリームはきんとんのようだし、あんこのようだし、

お煎茶や焙じ茶にもよく合う。

日本の黄色いモンブランは

最後の黄葉が燃える里山のような風情がある。

フランスの森の色でも、急峻なイタリアの山とも違う。

優しい懐かしい黄色がかったふるさとの栗色。

mont blancでもモンブランでもない

「もんぶらん」。

平仮名がお似合いだ。

週の初めの月曜日、

今日のおやつに「もんぶらん」はいかが?

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ぜひぜひ、ご覧ください。

うつは、他人事では、ありません。

(写真は)

日本のモンブランは栗だけじゃない。

抹茶にさつまいも、紫いもに、ユリ根にチョコ。

週末のパンカフェでいただいたのは

「かぼちゃのもんぶらん」

やはり平仮名で書きたくなる。

珈琲でも紅茶でも日本茶でも。

日本のもんぶらんは平和主義。

(その向こう、林檎のシブーストも、とろけます)