バスクのねぎま

今夜はクリスマス・イブ。

我が家は1日早く、昨日の午後にささやかなパーティーをすませました。

遅いランチの時間帯、年末は美食続き、で、メニューは軽め、メインはお魚、

スペインの家庭料理「プルサルダ」、

鱈とたっぷりネギのバスク風スープであります。

美食の街バスク地方の伝統料理。

本来は干した鱈を使いますが、甘塩の鱈もいい味を出してくれます。

ニンニクをオリーブオイルで炒めて香りが出たら、

ぶつ切りにしたねぎをどっさり入れて軽く炒め、

パプリカを振って、水を入れたら、鱈を加えて、ことこと弱火で煮込むだけ。

素朴な材料、シンプルな作り方なのに、

驚くほど滋味深い魚のスープが出来上がります。

冬のネギがとろとろに煮込まれてさらに甘みを増し、

鱈の旨みがじんわり沁みる。

実に味わい深く、優しい気持ちになるスープです。

かつて北海やカナダ近海まで漁に出たバスク人漁師が

獲れた鱈を塩漬けにして持ち帰ったのが起源とされる干し鱈。

寒い冬の海から戻った男たちを心身ともに温めた「プルサルダ」。

「おかえりなさい」の心がこめられたお魚のスープはどこか懐かしい味がします。

そういえばダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の食卓に載っていたのは肉ではなく魚。

最新の修復作業ではウナギだったらしいことも明らかになっています。

イブまでは肉食を控えることから

クリスマスにお魚を食べる習慣がある国は意外に多く、

南仏プロヴァンスも干し鱈を煮込んだものや色々な魚を食べるし、

イタリアでは7種類の魚を食べる伝統があり、

チェコのクリスマスは鯉料理だとか。

我が家の素朴なお魚のスープも伝統的なクリスマス料理ということになります。

たっぷりネギと鱈のバスク風スープ「プルサルダ」。

骨身に沁みる滋味深さ、ぶつ切りネギと魚だけという潔さは、はじめてじゃない。

どこかで出会ったような・・・かつて食べたような・・・。

江戸だ、江戸っ子の大好物「ねぎま鍋」だ。

マグロのぶつ切りとネギだけの気風のいい鍋。

シンプルなのに奥深い。

バスク人と江戸っ子。

美味しい遺伝子が近いらしい。

イベリア半島に意外な親戚がいたようだ。

今夜はクリスマスイブ。

サンタクロースは一晩で世界中を駆け巡ります。

地球はひとつで、意外に親戚つながりがあるってことの証明。

誰にとっても平和なイブが訪れますように。

(写真は)

バスクのねぎま「プルサルダ」。

とろとろのネギがたまりません。

身体を温めてくれるネギオールがたっぷり、

風邪予防にももってこい。

年の瀬を乗り切るにもおすすめのお魚スープであります。