ヴィンテージを作る

時を味わう楽しみ。

本日1月11日(土)のAIR-G’「野宮的コフレ」のテーマは

「ヴィンテージを味わう」でした。

ワインのヴィンテージイヤーにヴィンテージファッション、ヴィンテージの靴。

作られた時期や形式に希少性があり、

時間の経過とともに価値が高まった製品のことをヴィンテージと呼びます。

捨て去るだけではない価値の見出だし方は

大量生産、大量消費に限界を感じつつある現代人にとって

新鮮なヒントのひとつかもしれません。

「孫にも受け継いでいける素材や作りか」。

洋服を新調する時にそんな3世代を意識した選び方も素敵です。

クラシック回帰やトラッドファッションが再び脚光を浴びていますが、

細身のデニムにおじいちゃんが着ていたツイードの上着なんて、

一番カッコいい着こなしかもしれません。

孫の代まで着られるように、大事に大事に手入れされてきた一着の上着は

我が家だけの一点物のヴィンテージであります。

しかも相続税もかからない(笑)。

今年、成人の日を迎える息子が帰省した時

おばあちゃんたちに頂いたお祝いで「記念になる品物」を買いたいと

初売りで賑わう札幌の街に出かけました。

向かったのは靴屋さん。

どうやら丁寧な作りの革靴に決めたようです。

彼のイメージにあったのは夫がおよそ40年履き続けてきた一足の靴。

黒いコードバンのプレーントゥ。

入社2年目あたりの年に買ったという黒い革靴は

丁寧に磨かれ、手入れされ、今も立派な現役。

丈夫で上質な素材コードバンは履けば履くほど深い風合いを醸し出しています。

靴に刻み込まれた皺は履く人が生きてきた軌跡。

いつ間にかファッション小僧になり、

洋服や靴大好きなメンズに育った息子ですが、

父親が履きこんできた「ヴィンテージ」の靴の魅力に気づいたようで、

「これ、借りてっていい?」少しきつめのそのコードバンを履きながら、

自分の未来のヴィンテージを探しにきたというわけです。

できたら自分もコードバンの靴を。

そう思って訪れた靴屋さんの店先で親子でガ~ン。

40年の歳月は原皮の相場も一気に押し上げたようで、

コードバンの革靴は夫が記憶していた値段の2~3倍。

お祝いの原資があるとはいえ、20歳の青年が手にするお値段ではありません。

あれこれ試し履きし、、あちこちの靴屋さんを回り、

途中カフェで休憩しながら熟慮して、

最初のお店で出会った上質牛革のウィングチップに決めました。

軽いスーツにもジャケットにもデニムにも履ける「使える」靴。

ようやく決まった未来のヴィンテージ。

母は思う。

素敵な男性を見極めるには「靴」。

お金にあかして贅沢な最高級の靴を履き捨てるのではなく、

愛着のある一足を大事に大事に手入れしながら履き続ける。

人生歩き続けて、底がすり減ったら、早めに張り替え、

革には栄養と保湿を忘れずに与え、

コバのほこりも丁寧にはらい、

赤子の肌をいつくしむように優しく磨くことをいとわない。

そんな男性がきっとこの世で一番素敵な男性なんだと思うよ。

まもなく成人の日。

大人への一歩は

自分のヴィンテージを作り始める一歩。

父が君にコードバンの歴史を伝えたように

今度は君が自分の歴史を作っていくんだ。

新成人の皆さん。

ひと足早く、おめでとう。

あなたのヴィンテージを、大切に。

(写真は)

夫に40年連れ添ったコードバンの靴。

妻よりつきあいの歴史は長い。

言えない秘密、知ってんだろうな~(笑)