小さいこと

昨今の本屋さんの女性雑誌コーナー、

「あれ?妹さんですか?」

と、思わず聞きたくなるような光景によく出くわします。

通常サイズの横に一回り小さな小型サイズの雑誌が並んでいるのです。

まったく同じ表紙、同じ内容、まるで姉妹のようでいて、お値段は同じ。

「バッグイン・サイズ」とも呼ばれる女性誌の小型化は

もはや出版界の常識であります。

美しいグラビアを眺めながら、

最新のファッション&ビューティー情報をチェックしたい。

でも~、女性雑誌は「重過ぎる」「大き過ぎる」。

通勤バッグに入らないし、電車で広げるには回りに迷惑。

そんな現代女性のライフスタイルに合わせて登場したのが「バッグインサイズ」。

小型版の発行によって売り上げが15%アップした例もあるとか。

先駆けとなった「Domani」の場合、

通常版の重さ830gに比べて小型版は360gも軽い。

1キロ近い雑誌を持ち歩く気は失せるけれど、

300gちょっとなら、スマホと一緒に気軽に「バッグイン」できます。

出版不況を打破するひとつの試みであります。

しかし・・・まったく同じ内容とはいえ、小さなサイズが同じお値段というのも、

何だかね~、ちょっと損したような気分?

そんな女心、いや主婦心がむくむくと湧きあがってくる。

紙代だってインク代だって、小さくした分かからないんだから、

ちょっとお安くしてくれても良くない?

な~んて女性雑誌コーナーを眺めていたら、

小型化はママ&主婦系雑誌にも及んでおりました。

豪華なマダム系雑誌も、

「コストコ攻略」「デコ弁キャラ弁指南」特集が賑やかな若い主婦向け雑誌も

みんな、バッグインサイズ化されています。

かつて女性雑誌が想定していた、

昼下がり、一杯の紅茶など飲みながら、優雅に雑誌をめくる。

そんなライフスタイルはもはやイメージでしか存在しないということか。

マダムも若いママも、忙しいものね。

移動しながら持ち運べて読める雑誌、雑誌のスマホ化、タブレット化は

ひとつの潮流として定着しそうであります。

「小さくしたんだから、お値段まけてよ~」なんて言うのは少数派か(笑)。

「大きいことはいいことだ」。

この国にはかつてそんなCMが存在した時代もありました。

あれから、色んな時代がありまして、

この国の人々は気づきました。

「小さいことはいいことだ」。

バレンタイン・シーズン。

ワイン好きの彼のために「小さなワイン」はいかが?

ワイン専門ショップのチラシには

フルボトルの4分の1サイズ、188㏄の可愛らしいワインが並んでいました。

「キャール・サイズ」。

お酒を飲まない男子が増えた昨今、

色々と、小さいことは、いいことみたいです。

(写真は)

小さな沖縄本がぎっしり並んだ那覇空港の書店。

沖縄の出版文化は凄い。

歴史、文化、食などの専門書から

ワンコインの各種カフェ本グルメ本に沖縄スピリチュアル本、

数ある地元雑誌はヴィジュアルも美しく、ついつい買い込んでしまいます。

旅の始まりと終わりは、その土地の本屋で。

旅から醒めないコツであります。