天をめざす野菜

高く

高く

ぐんぐん

にょきにょき

天をめざす野菜

薫風香る五月。

北海道は気温の上下動はありながらも、

一年で一番爽やかな季節を迎えています。

新緑が萌え、リラの花が咲き、かぐわしい香りにうっとり。

札幌の初夏は世界に自慢したいほど素敵な季節。

沖縄の春も最高に過ごしやすく「うりずん」と呼ばれます。

その語源は「潤う」と水が大地にしみとおる「染む」からなり、

さわやかな南風が吹き、野山は緑にあふれる季節、

初夏の北海道も北海道版うりずんと呼びたくなります。

昨日の金曜ごはんもそんな初夏の恵みが食卓にのぼりました。

お知り合いの農家さんから直送された新鮮なグリーンアスパラガス。

なんてみずみずしく爽やかな緑、

さっそく、シンプルに茹でて半熟卵を添えていただきました。

さっと茹でて冷水にとると、ますます緑鮮やかに。

パリッ!シャキッ!う~ん、心地よい食感、甘みと旨みが弾ける。

初夏の北海道を代表する野菜、グリーンアスパラガス、

食べた瞬間に身体じゅうが喜んでいるのを感じる。

しかし、そんな初夏のアスパラガスが

とってもかわいそうなことになっているのをニュースで観ました。

先週の冬に逆戻りしたような気温の低下で「遅霜」が発生、

収穫が始まったばかりのアスパラを直撃、ダメージを受けてしまったのです。

「凍霜害」と呼ばれる現象で、アスパラの対凍性を下回る低温、

0℃あたりにさらされると、茎が水浸状になり、やがて脱水、

先端からしなるように曲がり、ぐにゃぐにゃになってしまうのです。

解凍に失敗した冷凍食品のような状態、出荷もできません。

せっかくすくすく育っていたアスパラなのに、なんとも切ない・・・。

「立夏」を過ぎれば遅霜の心配もない、

「立夏の別れ霜」なんて季節の言葉もあったのに、

五月の雪、自然相手とはわかっていても、切ない。

凍霜害にあってしまったアスパラはすべて刈り取られ、

農家さんはまた新しい茎が伸びてくるのを待つしかありません。

しかし、アスパラは、驚異的な成長力を誇る野菜、

1週間ほどでまた新たなアスパラが茎を伸ばしてくるそうです。

古代ギリシャ時代から栽培されてきたアスパラガスは

類まれな成長力から「たくさん分かれる」「新芽」という意味の

ギリシャ語「アスパラゴス」が語源と言われ、地面から芽を出すと、

1日で6~7cmも伸び、1週間で出荷できるらしい。

アスパラパワー、すごい!

潤う大地の中で太陽と水の力を得て、

にょきっと芽を出し、高く高く、にょきにょき、天を目指す野菜。

5月の遅霜にあっても次のアスパラがしっかりバトンをつないでくれる。

緑鮮やかな北海道の初夏の代表選手。

グリーンアスパラガス

天をめざす野菜に希望を託す朝なのだった。

(写真は)

アスパラグリーン

おいしくて

美しい緑色だ