紫の季節
桜色から
白い花
そして
芳しいパープルへ
紫の季節
毎朝、窓を開けた瞬間に新緑と芳しい花の香りがします。
う~ん・・・いい香り・・・胸いっぱいに初夏の薫りを吸い込むと
それだけで幸せな気分に満ち溢れ、今日のいい日になりそうな予感。
初夏の北海道は、ほんとに素敵。
花の暦も桜色から白い花、そして今は紫の季節。
おりしも札幌はライラックまつり開催中ですが、
会場の大通公園はもちろん、ご近所にも紫のライラックが満開。
そして、もうひとつ、初夏の美しい紫の花が見ごろになっています。
それは、藤の花。
ご近所の遊歩道にある藤棚が紫の花房で彩られ、いとおかし。
皐月の薫風にふわりふわりと揺れる様子にもううっとり。
想わず足を止めて見入ってしまいます。
古くから愛されてきた藤の花。
万葉集にも藤の花を詠んだ歌がたくさんあり、
歌の中では「藤波」と表現されることが多いそうで、
確かに・・・風に揺れる紫色のまさに藤の波、藤波、ですね。
藤・・・藤原・・・藤原道長・・・光る君へ。
美しくたおやかな藤の花を眺めていると、
どうしても現在放映中の大河ドラマが浮かんできます。
だって、出てくる人出てくる人、みんな「藤原」なんだもの。
絢爛豪華で美しい平安絵巻のようなドラマの登場人物たち、
どこを見ても「藤原さん」だらけで、覚えるのが大変(笑)
当時の朝廷の貴族が藤原氏で占められ、
これから道長さまがその繁栄の絶頂を築いていくわけですな。
「光る君へ」の時代は家と家を区別する「名字」が広がる前で
ドラマに登場する貴族たちはみな「姓」を名乗っています。
「姓」は自分のルーツを示すもので種類も少なく、原則変更不可。
平安時代は「源平藤橘」と呼ばれる4大姓や大江、菅原、清原、
安部、小野などメジャーな「姓」の貴族が大勢を占めていたそうです。
「源平藤橘」の4大姓のうち源氏、平氏、橘氏はいずれも天皇家の分家、
「藤原氏」だけが大化の改新で活躍した中臣鎌足がルーツ。
亡くなる前に天智天皇によって旧居に因んだ「藤原」の姓を賜ったとされ、
その政治力、力量、才覚によって得た「姓」とも言えますね。
それが「光る君へ」の時代へと受け継がれ、繁栄を極めるわけですが、
道長さまがのし上がっていくのも、そのルーツを思えばある意味必然なのかも。
マメ科フジ属のつる性の藤はほかの樹木などを支えに上へとのぼっていく植物。
「藤」という字も「上へのぼる植物」という意味を持つ漢字だそうで、
ふ~む、藤原一族の栄華っぷり象徴しているようですね。
紫色の花房が風に揺れる様子はたおやかでゆかしい景色ですが、
実は藤は上を上をめざす上昇志向の強い植物でもあるのですな。
さらに藤のつるの繊維は非常に強く、丈夫、古墳時代の巨大な石棺も
木ぞりに載せて藤蔓で編んだ縄で運んだらしい。
藤・・・藤原・・・メンタルもフィジカルも強靭だったのか。
道長さまと深い縁があったまひろは「藤式部」の召し名で出仕、
源氏物語の紫の上などのイメージからか
後の世で「紫式部」と呼ばれるようになります。
道長とまひろが恋愛関係にあったのか、なかったのか、
上をめざす藤原氏と日本文学史上最大のベストセラー上流作家、紫式部、
ホントは、どんな会話を交わしていたのか、いなかったのか。
ご近所の満開の藤棚を見てしばし妄想に浸る紫の季節なのだだった。
(写真は)
皐月の空を
上へ上へとのぼる
たおやかな藤の花
いとおかし


