くるくる記念日

いつもの6月の朝が戻ってきました。

薄曇りの空に少し肌寒いくらいの初夏の風が吹きぬけています。

きょうの札幌の予想最高気温は23度、

5日ぶりに25度を下回りそう。

歴史的猛暑をもたらした上空の暖気もようやく過ぎ去ったようです。

ほっ。

引っ張り出してきた扇風機をまた仕舞う芒種の朝でした。

きょう6月6日は二十四節気の「芒種」。

穀物の種を播く時季という意味で

「芒」とは「のぎ」、イネ科の植物の穂先の細い毛のような部分のこと、

昔から田植えを始める目安とされてきました。

時ならぬ初夏の猛暑の洗礼を受けましたが、

北海道の稲たちよ、頑張れ、出来秋目指して大きく育ってね。

そんな芒種の田んぼ仕事のおやつには、あれがお似合いかも。

くるくるの形が愛らしいロールケーキ。

きょう6月6日はロールケーキの「ロ」=6(ロク)と

その切り口の形が数字の6に似ていることから

「ロールケーキの日」なんだそうです。

この日にちなんでロールケーキ自慢のお店などでは

色々なイベントやスペシャルなロールケーキが楽しめるようですが、

田んぼのおやつにおすすめしたいのは

実に日本的なロールケーキ、松山の「タルト」であります。

愛媛県民が愛するソウルスイーツ「タルト」。

しっとりしたスポンジケーキであんこをくるりと巻いた姿は

名前は「タルト」ですが、ヴィジュアルは日本的「ロールケーキ」。

その由来は松山藩主松平定行が長崎に滞在した折、

ポルトガル人から供されたジャム入りのタルトに大感動、製法を松山に持ち帰り、

中をジャムの代わりにあんこに変えて作らせたと言われています。

お殿様、大正解。

個人的にジャムよりもあんこの方が絶対に好き。

お殿様、ありがとう。

考えてみれば、あんこは小豆を砂糖で煮詰めた「小豆のジャム」。

南蛮菓子のレシピを応用するのに、こんな素敵なアイデアがあろうか。

異国の伝来菓子はこうして懐かしい故郷の銘菓となり、

今も人々に愛され続けています。

松山には自慢のタルトを作るメーカーがいくつかありますが、

全国ブランドにもなっているのがご存知「一六タルト」。

優しいスポンジに柚子風味の利いたあんこがよく合います。

デパ地下の諸国銘菓のコーナーでも手に入るのが嬉しい。

で、もうひとつ、

個人的に好みなのが「六時屋」さんのタルトであります。

こちらは他県にはあまり出店していないようで、

私は松山に旅してはじめてお目にかかれました。

「六時屋」のタルトはスポンジ生地がしっとりとして、

中のあんこも濃厚というか、ちゃんと甘い。

全体的に存在感のある、しっかりとしたトラディショナルな味。

松山のタルトは和洋折衷的なお菓子ですが、

ここのは、どちらかというと「和菓子」に重心が置かれていて、

ちょっと濃い目に入れた緑茶などによく合います。

お店の雰囲気や包装紙も昔風で重厚なのがまたよろしい。

お姑さんへのお土産などにはお薦めであります(笑)。

スポンジにあんこのお菓子といえば謎の「シベリア」もありますが、

「シベリア」といい、「タルト」といい、ネーミングがまた面白い。

ポルトガル語には「タルト」とう語はなく、

ケーキを指す「TORTA(トルタ)」がひっくり返って「タルト」になった?

そんな笑える説もあるそうです。

芒種。

家庭菜園やガーデニングに精を出す季節がやってきました。

暑過ぎない今日は仕事もはかどりそうですね。

草花や作物を慈しみ、ちょっと愉快な由来のおやつでひと休み。

なんて贅沢な初夏のひととき。

(写真は)

豆系和菓子の東の横綱、銀座鹿乃子の「姫鹿乃子」。

おちょぼ口サイズの可愛い姿がたまらない。

あんこを更に甘い煮豆でトッピングする製法は

チョコをさらにクーベルチュールでコーティングするプラリネに通じる。

一口の感動に手を抜かない。

甘い哲学に国境はない。