12年後の宙返り

クローゼが決めた!

宙返りだ!

しかし、着地は失敗した(笑)。

そうだよね。

12年の月日が流れたんだよね。

またしてもこの選手がワールドカップの歴史に名を刻みました。

1次リーグB組ドイツ対ガーナの試合は2-2の壮絶ドローとなりましたが、

途中出場したドイツのFWクローゼが替わった途端にゴールを決めて

大会通算15点目、ブラジルのロナウドの持つ最多得点記録に並びました。

ミロスラフ・クローゼ、36歳、点取り屋の感覚はいまだ健在。

脳裏に2002年の日韓大会の鮮烈ハットトリックが蘇ってきます。

そう、あれは12年前の札幌ドームでありました。

日韓大会の1次リーグ、ドイツ対サウジアラビア戦、

幸運にも一般抽選でチケットが手に入った私はまだ小学生だった息子と二人で

ワールドカップデビューしたばかりの新星クローゼの歴史的ハットトリックを

目の当たりにしたのでした。いや~、ぶっ飛んだ。

その高い跳躍力、素早い動き、天性のばねはまるでスタントマン。

そしてゴール直後、そのままの勢いで繰り出した見事な宙返りは

オリンピックの体操競技に出られそうな完成度。

こりゃあ、とんでもない若造が現われたと思ったものです。

あの頃、あなたも、私も、若かった(笑)。

あれから12年。

36歳になったベテランは途中出場でピッチに出た途端にゴールを決めた。

でも、宙返りの着地でちょっぴりずっこけた。

ふさふさの栗色ヘアも少しだけ額にM字ラインが伺えた。

そうだ、誰にも平等に12年の歳月が流れたんだ。

でも、クローゼ、あなたは凄い。

点取り屋の感覚はまったく衰えていなかった。

決めるべき時に決めてくれた。

宙返りの着地なんて決まらなくていいい。

決めるべき人が決めるべき時に決めた。

それだけでサッカーファンはしびれる。

優勝候補の一角である強豪ドイツにあって、

36歳で現役、代表チームに選ばれるパフォーマンスを維持することは

並大抵のことではないことは素人の私でも想像がつきます。

クローゼが壮絶な12年を過ごしている間に、

わたしゃ、いったい何をしてきたのだろうか。

12年ぶりの彼の宙返りをテレビ中継で見ながら、ふとそんなことを思いました。

手をつないで札幌ドームに向かった息子も20歳の大学生。

今は母ちゃんがお願いしたって、手はつないでくれない(笑)。

目尻の皺とほうれい線はもはやともだち。

でもね、変わらないのはサッカー愛。

むしろ年々味わい深くなっている。

たった一人で未明の中継を観戦しながら人生を思うのも、悪くない。

ふと日曜日の朝、後から起きてきた夫に問うてみた。

「ねえ、あと何回、ワールドカップ観られるかな~?」

サッカーの魅力にはまってから

人生を4年単位で数えたりもする(笑)。

ホントに我ながらおバカさんである。

夫は苦笑して答える。

「大丈夫、けっこう、観られるって」。

大丈夫?けっこう?

まあ、人生、逆算に入るのは、まだ早いってことか。

人生もサッカーも、引き分け狙いはつまらないもんね。

クローゼ。

ここまできたらロナウド超えだ。

ゴールを決めてくれ。

12年後の宙返りをもう一度見せてくれ。

で、着地でケガだけはしないでね。

(写真は)

ブラジルだけに注目していてはいけません。

サッカーは地元愛からはじまる。

コンサドーレ札幌対カターレ富山の試合は

久しぶりの聖地厚別だった。

ふふふ。2対1で勝利。

勝った試合だが、攻めあぐねた後半、

札幌サポーターからは厳しい応援の声が飛ぶ。

「もっと走れ~」「そこで縦パスだ~」「もっと攻めろ~」

日本戦のストレスの影響もあろうかと(笑)。

ま、勝って良かった良かった。