古のかまど

尊い

大切な

火の神さまが

宿るところ

古のかまど

沖縄は雨の季節に入りました。

昨日21日、沖縄気象台が梅雨入りしたとみられると発表、

平年に比べ11日遅く、昨年より3日遅いということです。

亜熱帯の緑がますますその色と潤いを増していくのですね。

そんな沖縄で興味深い考古学上の発見がありました。

宜野湾市普天間の普天間宮洞穴遺跡から

約3万2000年前の火をたいた跡とみられる「炉跡」が2か所見つかったと

沖縄国際大学考古学研究室が発表したとの記事が昨日の朝刊にありました。

2022年から洞穴内の2か所で発掘調査を開始、

そのうちの一か所の地表下1mの粘土質の地層から

縦横50㎝と30cm程度の灰の塊を発見、

近くからは焼けた岩石片「礫(れき)」も出土したのだそうです。

これが3万1千年前前の「炉跡」、

さらに下層から3万2千年前の炉跡も見つかり、

台所のような形で使われたと考えられるそうです。

人類の活動痕跡としては県内最古級で、研究チームは

「琉球列島における人類の起源の研究に資する遺跡」としています。

3万6千前とされる那覇市の山下町洞穴遺跡の半世紀前の調査でも

木炭の層から「火をたいていたのではないか」と言われましたが、

精密な記録がなく実態がわかりませんでした。しかし今回の調査で

火をたいていた、台所のように使っていた「証拠」が得られたのです。

はるか旧石器時代の琉球列島に暮らしていた人々の「かまど」の跡。

火をたき、何を「調理」していたのだろうか。

採集した葉っぱや木の実や根か、とらえた魚や動物などの獲物か

その日の恵みを、焼いた?炙った?もしかして煮た?

沖縄にはかつて「カマド」という女性の名前が多くありました。

「カマ」「ナベ」という名前も多く、映画「ナビィの恋」の

主人公のおばぁの名前も「ナベ」→「ナビィ」でした。

カマドは沖縄では「火の神」とされ、大切に崇められる存在だったことから、

生まれた女の子に「カマド」「カマ」「ナベ」と名付けたと言われます。

人間にとって、火をたき、食べ物を煮炊きする場所は

生命に直結する大切な存在であることから、沖縄では今でも

火の神(ヒヌカン)を大切に敬い、ウートートー(お祈り)しています。

その気持ちは、3万2千年以上前から受け継がれてきたのかもしれません。

今回、炉跡が発見された普天間宮洞穴遺跡は

琉球八社の一つとして知られる普天間宮発祥の地。

全長約280mの琉球石灰岩層でできた鍾乳洞は「聖域」として

長く大切に保存され、発掘調査がされていませんでした。

本土復帰前から洞窟内を整地中に土器や石器を見つけ、

「お祈りはいつからしていたのか?いつから人は生活していたのか」と

思いを巡らせていた普天間宮の現在の宮司が沖縄国際大学に

調査の依頼をしたことが、今回の大発見につながったのだそうです。

旧石器時代の人骨は沖縄県内でも見つかっていますが、

その暮らしの様子はよくわかっていませんでしたが、

今後、発見された炉跡の灰内部を調べることで、食材が混じっていれば、

当時の食べ物、食事のてがかりとなりそうです。

尊い大切な火の神様が宿る場所。

おいしいごはんが生まれる場所。

生命のエネルギーを補給する場所。

古のかまどに歴史ロマンがふくらむ。

(写真は)

琉球漆器の名品

料理を盛る東道盆(トゥンダーブン)

豊かな食文化は芸術に昇華した