仏蘭西鰹節

美しい魚料理に感嘆するお客に給仕長が恭しく答える。

「味の決め手はフランス産鰹節でございます」。

なんて会話がパリの三ツ星レストランで交わされるかもしれません。

フランスに来年、始めて鰹節工場ができることになりました。

仏蘭西産鰹節が世界のグルメたちの注目を集めそうです。。

今朝の朝刊経済面、野宮的注目記事は

「かつお節フランス産出します」。

フランスでは日本食人気に伴い、鰹節の需要も高いのですが、

EUの厳しい食品輸入基準のため、日本からの輸出は難しいのが現状。

鰹節生産地として有名な鹿児島県枕崎市の水産加工組合がそこに目をつけ、

現地で高品質も鰹節を提供することを思いたったというわけです。

組合や枕崎の企業など計10社が出資して新会社を設立、

新社名は「枕崎フランス鰹節」、その工場は来年夏には完成の予定とか。

フランス鰹節の工場ができるのは

大西洋に面するフランス北西部ブルターニュ地方の港町コンカルノー。

昨日、都内で開かれた記者会見で発表された概要によれば

原料のカツオはインド洋で調達、日本と同じ方法で製造し、

生産計画は1日200キロ、

EU圏内の様々なジャンルのレストランに販売予定だそうです。

ブルターニュ産の本枯節がフランス料理の新潮流を作るかもしれません。

鰹節工場が建設されるコンカルノーはフランス屈指の水揚げ量を誇り、

中世の要塞に囲まれた出島ヴィル・クローズが印象的な港町。

堅固な要塞を誇る港町で

日本が誇る世界一堅い加工食品が製造されるというのもちょっと面白い。

ブルターニュと日本は水産物を通していいお付き合いが続いているようで、

1980年代から既にワカメの養殖も始まっていて

現地では「wakame」として人気が高まっているようです。

ん?ワカメちゃんの次はカツオ君の登場?

ブルターニュのサザエさん化計画進行中(笑)。

和食の基本となる「だし」に欠かせない鰹節。

フランス料理にも魚料理の基本となる「フュメ・ド・ポアソン」があります。

魚の骨やアラに香味野菜や白ワイン、香草を加えて煮詰める「だし」。

「だし」にこだわる共通認識があるお国柄ですから、

ブルターニュ産鰹節がこれからどんな活躍を見せるのか楽しみです。

「当店の魚料理はコンカルノー産本枯節を使用しております」

なんて謳い文句を掲げるレストランが現われたり。

フランス語で鰹節は「bonite se’che’e」だそうですが、

「katsuobushi」がフランス語になる日も遠くないかも。

日本人がチーズおかかおむすびを発案したように

フランスの人々がたとえばバゲットと鰹節の新しいコラボなど

発見しちゃうかもしれません。

枕崎からフランス・ブルゴーニュまでの距離は約10000㎞。

鰹節の新しい旅がまたひとつ始まります。

(写真は)

かつて沖縄からトラック諸島まで

大勢の男たちが鰹節作りのために南の海を渡っていきました。

今も鰹節文化が花開く沖縄の市場で仕入れた荒節は

枕崎で作られた沖縄仕様のカビなしタイプ。

EUの皆さまはカビあり、カビなしどちらがお好みだろうか。

ま、チーズにもカビあり、カビなし両方あるしね~。

仏蘭西鰹節、今後注目であります。