琉球モヒート

夏にお似合いのカクテルと言えば、モヒート。

モヒートさえあれば、暑い夏は100倍幸せ。

爽やかなライムとミントとラムの香りが素敵なロングカクテルの語源は

スペイン語の「mojar」=「濡らす」に由来するとか。

文字通り、グラスが濡れるほど冷たく作るのがポイントですが、

もうひとつ美味しく作る秘密がありました。

それは「お砂糖」。

ヘミングウェイが愛したカクテルとしても知られるモヒートですが、

マッチョな文豪の好みはドライ・ラムにライム、ミント、

そして砂糖ではなくシロップにビターズというメンズライクなレシピ。

しかもミントの葉は徹底的にすりつぶした豪快なものだったらしく、

けっこう苦みのきいたモヒートはまさにヘミングウェイスタイル。

甘いお砂糖をどう加えるかで個性を色々楽しめるモヒート、

そのお砂糖の色を変えてみたら・・・、

あらら、何て素敵な「琉球モヒート」。

通常のレシピではタンブラーに白砂糖をライムやミントと一緒に加え、

ペストルと呼ばれるすりこぎ棒で潰して、ラムやソーダ水を加えるのですが、

その白砂糖を沖縄特産の黒糖にチェンジするのです。

今回は与那国島産の黒糖ブロックをチョイス。

ペストルなんて洒落た小道具はないので、

未使用の味噌こし用の小さなすりこぎ棒で代用、

これがまた、ちょうどよいサイズでいい仕事をしてくれます。

タンブラーの底でライムとミントと与那国島の黒糖が混然一体。

美味しさの融合が整ったあたりでラムとソーダ水を注ぐと・・・、

ちょっと日に焼けた小麦色の琉球モヒートの出来上がり。

薄い琥珀色が何とも美しい。

グラスが濡れるほどに冷えた琉球モヒートをごくりと一口。

これは・・・何とも・・・まろやかな。

角のない、まろやかな、友好的で開放的なモヒート。

なんくるないさぁ~的な大らかな心持にしてくれる癒しのロングカクテルです。

一瞬で、恋に落ちました。

琉球モヒートは奥深い味がします。

黒糖のまろやかな甘さの遠い遠い向こうに何かを感じるのです。

それは・・・本当にかすかな海の塩の味。

南の島のサトウキビ畑に吹きわたる海からの風がもたらしたのでしょうか。

目を閉じてごくりと飲み干すと、

ざわわ、ざわわ・・・サトウキビの葉音に加えて、

さぶん、ざぶん・・・・南の海の波音が聞こえてくるよう。

緑の草原を疾走する与那国馬の群れが頭のスクリーンに蘇る。

そうだ、キッチンの戸棚には粟国島の黒糖もあったな。

今度は粟国島ヴァージョンで琉球モヒートを作ってみよう。

まだ見ぬ粟国島のどんな映像が浮かぶだろうか。

美味しい白昼夢。

夏の休日に「琉球モヒート」はいかが。

グラス一杯で南国極楽旅ができます。

(写真は)

小麦色の琉球モヒート。

ミントが途中で品切れしたものの、

息子が大胆にバジルで代用。

意外に、いける。

ハバナ生まれの夏カクテルは器がでかい。