大人パーラー
世の中の会社には色々な部署がありますが、
これは美味しそう、配属されてみたいなぁ~、「パーラー部」。
今朝の「がっちりマンデー」のテーマは高級果物店の千疋屋。
その儲かりの秘密を探るなかで併設のパーラーももちろん登場、
そこで働く女性の肩書きスーパーが「千疋屋パーラー部」。
となると上司は「パーラー部長」、う~ん、仲良くなりたい(笑)。
喫茶店、コーヒーショップ、カフェなどなど
ほっと一息つける場所は色々ありますが、
昔から、この単語には、心がときめいてしまう。
パーラー。
明るい店内、白いテーブルにお洒落な椅子、
誰もが笑顔でクリームソーダやパフェなどつつきながらひとときを過ごす。
そこは苦いため息や沈黙とは無縁の甘い魔法の空間。
幸せな記憶がお似合いの場所。
子どもの頃、母に連れられて室蘭から札幌までお買い物に出た時の
最大のお楽しみは、パーラーでした。
雪印パーラーや不二家のペコちゃん人形が迎えてくれるパーラーで
テーブルにそびえ立つ(ように見えた)チョコレートパフェや
イチゴとホイップクリームが奇跡のように山盛りのホットケーキなどを
(昭和の当時はパンケーキではなくあくまでホットケーキだった)
いつものおやつのように、お姉ちゃんと半分こせずに一人に一品、
大きなパフェやホットケーキを頬張るひとときは至福の時間。
「このまま時が止まればいいのに」と真剣に願ったものです(笑)。
妹というものは何でもお姉ちゃんの後を追っかけるわけで、
それはメニュー選びでもそうだった。
お姉ちゃんがパフェなら、あたしもパフェ!、
チョコレートとバナナのホットケーキなら、あたしもそれ!
しかし、ある時、大きな変化が訪れた。
パーラーのメニューをじっくり品定めしていた姉がこう注文したのでした。
「あたし、フルーツソーダ」。
へ?フルーツソーダ?メニューの写真を慌てて確認するおかっぱ頭の妹。
フルーツソーダって、これ?
果物がいっぱい入ったピンク色のソーダ水はキレイだけど、
ふわふわのクリームもチョコソースもホットケーキもついてない、
ガラスの器に入った、ただの、飲み物じゃないか。
果物つっついて、ストローでじゅるっとすすったら、それで終わりだ。
千載一遇のパーラーのひとときを、ハレのおやつのこの場面を、
我が姉はただの飲み物で終わらすつもりなのか?
「お姉ちゃん、ホントにフルーツソーダ?」いじましく確認する妹に
「うん」。
姉はこともなげに頷く。
それがどうかした?とばかりに。
その瞬間、妹は確信した。
お姉ちゃんは、大人になったんだと。
そのとき姉は小学校高学年、私は低学年の頃だと思うけど、
はっきり、悟ったのだ。
お姉ちゃんはふわふわクリームの子供時代から卒業しようとしているんだ。
ピンク色のフルーツソーダは大人への階段を昇った向こうにあった。
まだまだ甘い子供時代に未練たっぷりの妹は
「あたしも!」とは、言えなかった。
「・・・えっと・・・あたしは、チョコのホットケーキ」。
それは昭和のパーラーで小学生の姉妹が
メニューを決めるまでのほんの一瞬の出来事。
何十年経った今でも、
あのピンク色のフルーツソーダ事件の記憶は鮮明に残っています。
あの日から、姉と私の頼むメニューはバラバラになっていった。
いつも一足先に大人になっていった一番近い人の背中を
妹というものは、ずっと追いかけているような気がする。
いい大人になった姉妹が
あの昭和のパーラーにタイムスリップしたら、
二人はいったい何を注文するのだろうか。
一皿は多いよね~太るしね~なんて言いながら
ふわふわクリームたっぷりのホットケーキをシェアしたりするのだろうか。
パーラー。
ノスタルジックな響きが、好き。
(写真は)
平成のオトナが大好きなのは
アサイーボウル♪
那覇の「C&C BREAKFAST OKINAWA」にて。
イチゴにバナナ、ブルーベリーに
自家製グラノーラがトッピングされています。
おかわりしたいくらい、美味しかった。
ちなみにパーラー(Parler)とは古くは宮殿を意味する建築用語。
のちに応接室や談話室、
そして軽飲食店などをそう呼ぶように。
お弁当からお惣菜、沖縄そばにぜんざいまである沖縄パーラーも
ある意味、庶民の宮殿、かもね~。


