牛乳屋さんのケーキ
ここだけは、聖域だった。
バンダイが調査したクリスマスプレゼントの意識調査によると
2014年の親から子へのプレゼントの平均予算は6905円、
これは前年比10.4%増の大幅予算増。
消費税8%にも円安にも各種値上げにもめげず、
キビシイ家計の中でも、ここだけは削れない親心が
にじみ出る数字であります。
で、その平均予算7000円ほどが費やされるプレゼントの品目、
2014年クリスマスプレゼントの人気ランキングをみると、
13年連続で「ゲームソフト」が堂々の1位。
全体の20.5%を占める圧倒的なシェア。
そして2位が文字や計算をゲーム機で学べる「知育玩具」でした。
なるほどなるほど。
子供のニーズが1位で、親の願望優先が2位、とも読めますね~。
「ほら、あなたの欲しがっていたゲームよ、
ほら、いいでしょ?遊びながら漢字や英語や算数もお勉強できるのよ~」
そんな親の期待と下心(笑)を満たしてくれる「知育玩具」、
ゲームは否定しないが、お勉強もしてほしい、
そんな親のニーズをうまく掬い取ったアイテム、
去年も2位にランクイン、根強い人気を誇っています。
クリスマスシーズンになると、
さまざまな親心の思い出が蘇ってきます。
ある年のクリスマスのこと。オーブンもない昭和の台所で、
鶏もも肉を焼いたのや、ポテトサラダや、スープや
母の心尽しの手料理が次々と出来上がっていくなか、
子供だった私は次第に不安が募っていきました。
「ケーキが・・・クリスマスケーキがない」。
「ねえ、お母さん、クリスマスケーキは?買ってあるの?」
忙しそうな母に恐る恐る尋ねると、
「ん?ケーキ?大丈夫大丈夫」としか答えない。
知らないうちに買ってどこかに置いているのか
しかし、狭い家の中、気温の低い玄関にも奥のお座敷にも
ケーキの箱らしきものはなかった。外はもう暗い。
今からなんてケーキ売り切れちゃうよ、ってかケーキ屋さんも閉まっちゃうよ。
主役のケーキ不在に不安がピークに達したとき、
「ごめんくださぁ~い!」、玄関に誰かがやってきた。
クリスマスの玄関先にやってきたのは牛乳屋さん。
毎朝、瓶の牛乳を配達してくれるお店の人がなんで?
牛乳屋さんは丸い帽子のケースのような発砲スチロールの箱を抱えていた。
「はい、こちら、ご注文のケーキですね、毎度ありがとうございました~」。
ケーキ?牛乳屋さんがケーキを配達してきたの?
「ほら、範子、溶けないように、奥の座敷に置いといて。そ~っとね」。
母がにっこり笑って、丸い箱を私に手渡してくれた。
つ、冷たい・・・。
丸いケーキの箱は、ひんやり冷たかった。
「今年はね、アイスのクリスマスケーキにしたんだよ」。
その時の母の嬉しそうな声色を今でも覚えています。
大きな冷蔵庫が当たり前の今では、
アイスクリーム製のクリスマスケーキは珍しくありませんが、
その当時はまだ出たての新商品、値段だって安くはなかったろう。
ちょっと無理して、家計をやりくりして、注文しておいてくれたんだろう。
子供だった私の辞書に、アイスのクリスマスケーキは存在していなかった。
当日までそれを秘密にしていた母のサプライズ心。
親となった今は、とってもとってもよくわかる。
消費税8%でも円安でも各種値上げの冬でも
クリスマスプレゼントの予算は、削れない。
包みを開いた瞬間の歓声、笑顔、
「サンタさん、ありがとう!」と冬の夜空に叫ぶ幼い声。
その一瞬のためなら、親という生き物は1年間頑張れる。
なんて、思ったりするわけで。
そんな母を交えて、夫と私、シニア3人(笑)で迎えるクリスマス、
今年のケーキは、どうしよーかなー。
1ホールはもうキツイお年頃、
小さなアイスケーキでも探そうか、ね。
(写真は)
大人デザートにはティラミスはいかが。
那覇の隠れ家ピッツェリア「BACAR」にて。
そうね~、冷たいバニラアイスに熱いカプチーノ、
アッフォガードもいいなぁ~。
牛乳屋さんのアイスケーキの思い出話などしながら、ね。



