楊貴妃丼

ホテルのダイニングでおもむろにメニューを開く。

この時期限定のおすすめが並んでいる。

どれどれ・・・

えっ?秋刀魚の塩焼きが2900円!!!

これ、ホントの話です。

北京市内の高級ホテル「長富宮飯店」で開催中の

道産の海産物をふんだんに使った日本料理を提供する

「北海道フェア」の様子が今朝の北海道新聞に載っていました。

記事によれば、今回輸入したホタテやキンキなど10品目は

日本からの海産物輸入を事実上独占する

長崎と上海の業者に頼らざるを得ず、輸送費がかさみ、

秋刀魚の塩焼き一匹が150元=約2900円なんてことになったようです。

驚くのは秋刀魚ばかりではありません。

ホッケの一夜干しが200元=約3800円、

ウニ・サケ・イクラの三色丼が800元=約15.000円、

鉄板焼きコースは1888元=約36.000円、

まさに目の玉が飛び出て一回転しそうなお値段。

しかし、北海道好きの中国人富裕層に好評で

予約も好調、話題になっているんだそうです。

凄いです・・中国リッチマンの食欲と経済力。

うちの近所のスーパーで材料を仕入れれば、

ウニ・サケ・イクラの三色丼なんて1人前に換算すれば

その10分の1で作れそうな気がします。

北京の高級ホテルの1万5千円也の北海お宝どんぶり、

9割は輸送費を食べているというわけですね~。

う~ん・・・ふと楊貴妃の逸話を思い出してしまう。

絶世の美女楊貴妃が好物のライチを

遠い産地から長安の都まで早馬で運ばせたというお話。

そういえば楊貴妃御用達とされる農園でとれたライチに

65万円の値がついたなんて話もあったりして。

人間というのは権力と経済力を持つと、

遠いところ遠いところにある幸せを求めるものなのでしょうか。

今朝たまたま見かけたニュースで

とことん地場産の材料でクッキーを作る農家さんを取り上げていました。

北海道の栗山町の畑作地帯にある小さな工房で

農閑期に作られるのは全安心で美味しい野菜クッキー。

小麦は自家製を含め町内産、使う分だけ自家製粉し、

ごぼうやかぼちゃ、ビーツなどの野菜はもちろん自家製

卵はクッキー作りのために飼い始めた鶏からとるうみたて卵。

「基本は自家製、町内産、それでまかなえない場合は

なるべく近くの道内産」という言葉がとても印象的でした。

遠く遠くの幸を高コストで希求する楊貴妃丼と

なるべく近くの材料で焼きあげられるサクサクのクッキー。

とても対照的ですが、どちらも経済を動かしていく大事な原動力。

楊貴妃丼でその魅力に惹かれてどんどん北海道にやってきてもらって

とことん地場産のクッキーの美味しさもぜひ味わってもらいたい。

「幸せの基準」は色々あるんだってこと。

いろんな人たちにも気づいてもらえれば、

世界はもっと心豊かになれるんじゃないかな。

ま、秋刀魚は旬の時期に北海道で食べるのが

いちばん安くて旨い。

だから、みなさま、北海道にいらっしゃい。

(写真は)

さっくさくの沖縄伝統クッキー。

琉球王朝の味を今に伝える新垣カミ菓子店の

ちんすこう&花ぼうる。

美しく美味しいお菓子は中国との交流のなかで生まれたもの。

北京の北海道フェアも日中関係の改善傾向や

円安の進行を追い風に実現にこぎつけたものとか。

美味しいものは、優秀な外交官であります。