守護神弾!

劇的な余りに劇的な、そう、まるで劇画のような幕切れ。

サッカーJ1昇格を決めるプレーオフ準決勝、

6位の山形vs4位の磐田の試合、

ロスタイムに試合を決めたのは一人だけユニフォームの色の違う選手、

何とGKの山岸選手の見事なヘディングシュートでした。

1対1の試合終了直前のロスタイム、

土壇場でコーナーキックを得た山形、もう勝つしかない!

遠い自陣からGKの山岸選手も攻め上がり、11人全員でゴールを狙う。

弧を描くボールに一番近いサイドから走りこみ、

どんぴしゃで頭で捉えて、ゴール左隅に流しこんだ!のは、なんとそのGK。

FWでも難しい見事な守護神弾が山形に勝利を呼び込んだのでした。

誰が予想したでしょうか、この展開。ほぼ、劇画。ほぼ、サッカー漫画。

(磐田サポーターにはお気の毒ですが)

もう笑っちゃうくらいに爽快痛快な幕切れであります。

「格好良く走ったりすれば良かったんだろうけど、

全く慣れてないんで、ただ仲間につぶされているだけでした(笑)」。

試合後の山岸選手のコメントが初々しく、微笑ましい。

6月のJ1浦和から期限付き移籍で加入した36歳のベテラン選手ですが、

何せ、公式戦で人生初ゴール、

決めちゃったはいいけど、その後までは想定していなかったのね~。

確かにゴール直後の映像を見れば、

緑色のユニフォームが黄色のユニフォームの歓喜の固まりに押しつぶされて

ぺっちゃんこになっているのが確認できました(笑)。

シーズン終盤には1点が必要な場面を想定し、

コーナーキックに合わせる練習もしていたそうですが、

ゴールを決めちゃった後も想定して、

得点後のカッコいいパフォーマンスも練習しておくべきだった?

スーパーマンみたいに走って指や拳を突き上げたり、

クリスチャーノ・ロナウドみたいに仁王立ちしたり、

キング・カズみたいダンスしたり、揺りかごパフォーマンスしたり、

華やかな前例には事欠かない・・けど、

まさか、まさかね~、そこまで練習するわけないよね~。

まさか、まさかね~、そんなことまで必要なの~。

と、驚き、照れちゃった経験が、ありました。

あれは新人アナウンサーとして日々奮闘、日々凹んでいた頃のこと。

ある先輩アナに聞かれた。

「お前さ、サイン考えた?」

「へっ?サインって、誰の?何の?サイン?・・・ですか?」

「お前んだよ、野宮範子って、お前のサイン」。

「ひょえ~、そんなもの必要なんですか~?」

「ま、今は、まだいらないけどな(笑)」

そうなんです。

先輩アナ諸氏は大抵ご自分のサインをお持ちなのでありました。

取材先などで思いもよらずサインを求められる可能性はゼロではないらしい。

そうだったのか~。

局アナとは、時に自分のサインも必要になるサラリーマンなんだ。

しかし、売れっ子でもない新人のぺーぺーが自分のサインを考えるなんて

キャーッ、想像しただけでこっぱずかし~い!

まさかのサイン、GKのまさかのゴールに、ちょっと似ている(似てない?)

結局、後日、絵心のあるスタッフさんあたりに相談して

恥ずかしながらの自分のサインを考えたりしたんだっけね。

今でも(めったにありませんが笑)、サインは、恥ずかしい。

ふと、中学校の時のある同級生男子のことを思い出しました。

「俺は歌手になる!」と宣言していた彼は

既に自分でかなりカッコいいサインを考えてあって、

クラスメイトに書いてくれて、ありがたくも私ももらったような、気がする。

そういえばあのサインは本名だったなぁ。

芸名までは考えていなかったんだろうか。

同級生にサインをくれた歌手になりたかった中学生男子。

正直、「歌手になる」なんて、「まさかね~」と周りは苦笑していたかもしれない。

多分、私も「まさかね」ってちょっと思ってた。

でも、夢を公言するってことは、

今となっては、あれは凄いことだったんだって思うよ。

夢の天敵は、まさか、なのかもね。

未来を狭める権利は誰にもないんだ。

(写真は)

初めて作ったパパイヤイリチー。

まさかね~、

青いパパイヤがこんなに美味しいなんて。

しゃきしゃき加減が最高。

青春の味、さ。