キャラメル色の幸せ

月日は百代の過客にして

     行かふ年も又旅人也。

いや、本当に芭蕉さんのおっしゃる通りですって。

ついこの間お正月を迎えたような気がしていたのにもう大晦日。

きょうびの月日という名の旅人の足には

ジェットエンジンがついているんじゃないと思うほどであります。

泣いても笑っても、2014年も今日一日でおしまい。

ならば、にこにこ笑顔で行く年を見送り、来る年を迎えましょう。

少なくとも今日明日の2日間はつまんないことでイライラしないぞ(笑)。

今年最後のお掃除に大晦日の料理番にとすべきことは山盛りでも、

おおらかにおおらかに、口角を上げて過ごしましょうぞ。

この一年のすべてに感謝をこめて、

掃除機をかけ、雑巾を絞り、お湯をわかし、お鍋を火にかける。

ささやかで平凡な日常が365日も積み重ねられたことは

奇跡に近いほど幸福なこと。

本当に、ありがとう。

昨夜遅くまで帰省した息子の部屋には電気がついていた。

子供の頃から使い続けてきた懐かしの学習机に向かい、

がっしり育った体を折り曲げるようにして何やら大学の勉強をしていた。

ほ~、「勉強しなさい」なんて親は一言も言ってないのに。

当たり前だ。

もう20歳も過ぎた青年なのだった。

首根っこつかまえて学習机に張りつかせる必要なんて、もうとっくにないんだ。

芭蕉さん、本当に、月日は百代の過客でありますね。

あれしなさい、これしなさんなと小言を言う必要もないようなので、

どれどれ、朝ごはんでも作ってあげようか。

夫婦二人暮らしでは、まず作らないパンケーキなどを

忙しい年の暮れにいそいそ焼きはじめる。

いかんいかん、親馬鹿症候群がまだ治りきっていないようだ(笑)。

じゅわ~、弱火にかけたフライパンにパンケーキの種をま~るく落とす。

ふつふつ・・・ぷつぷつ・・・表面に月のクレーターのような穴ができたら

えいやっっとひっくり返して、すこ~し待ったら、お皿にとって、出来上がり。

パンケーキが焼ける様子をじんわり見ていると

息子が小さな頃によく一緒に読んだ絵本が浮かんできました。

「しろくまちゃんのほっとけーき」。

「ぽたぁん どろどろ ぴちぴちぴち ぷつぷつ」

しろくまちゃんがおかあさんと一緒にホットケーキを作る様子が

美味しそうな擬音とともに描かれている大好きな絵本。

きれいな色に焼き上げるにはあわてちゃいけません。

優しい気持ちでのんびり待ってあげれば

ふんわり食べ頃のホットケーキが自然と焼けるのです。

何だか子育てと似ているかもねぇ。

やいのやいの、せっついたり、

ガミガミガミガミ小言を言ったり、

いじり過ぎるとホットケーキはうまく膨らまないのと同じように

子供ものびのび育たない・・・のかも、と、今になって気づく親。

まあ、子育てなんて、反省の連続だからさ。

終わりのない修行みたいなもんだもん。

ま、そーゆーことで(笑)。

ちょっとしみじみしながら焼き上がったパンケーキに

年末特別サービスでキャラメルソースなどかけて仕上げてみる。

パンケーキとキャラメルソース、

きつね色のグラデーションを眺めていると

それだけで幸せな気持ちになってきた。

来年もいい年になるような気分がしてきた。

キャラメル色の幸せをかみしめる。

と、ここで夫の声が向こうの部屋から聞こえてくる。

「ね~、掃除機の調子、おかしいんだけどぉ~」。

なにっ?この大晦日にきて、掃除機のストライキか?

昨日からいささかご機嫌がうるわしくはなかったが。

何も12月31日に故障しなくても~。サポートセンターもお休みでしょうが~。

ま、めでたさも、中くらいなり、おらが大晦日。

この1年間、野宮ブログをお読みいただきまして

本当にありがとうございました。

来年も日々こつこつをモットーに綴っていく所存です。

どうぞよろしくお願いいたします。

2015年が皆さまにとって幸せな1年でありますように

心よりお祈りしております。

ではでは、良いお年を♪  

                2014年12月31日 

                     野宮範子

(写真は)

キャラメル色のほっとけーき。

でっかなしろくまちゃんが完食しました(笑)