切ないラズベリー

まさに悪夢の3日間。

世界中を震撼させたフランス・パリで起こったテロ事件、

逃走中の実行犯らがたてこもった郊外の工場に治安当局が突入、

実行犯は死亡、人質は解放されましたが、

この3日間で多くの犠牲者が出ました。

現地からリポートしていた日本人記者が

「(突入によって)事件は無事解決しました」とコメントしていましたが、

本当に、これにて一件落着、なのでしょうか。

テレビの画面からはパリの街を重装備の警官や軍警察が

緊迫した様子で警備する映像が繰り返し流されています。

相次ぐテロ事件の現場はバスチーユ広場やルーブル美術館などにも近く、

多くの観光客が訪れるエリアからそう離れていません。

冬休みで憧れのパリを訪れた人々にも不安が広がっていることでしょう。

あの美しいパリはどこで写真を撮っても絵になるし、

被写体の自分がモデルになったように錯覚してしまうほどフォトジェニックな街。

何気なくカメラを向けた画面に迷彩柄の兵士が映りこむなんて

想像したこともありませんでした。

そんなイメージとしてのパリが余りに美し過ぎて、

フランスのリアルな一面をちゃんと認識していなかったかもしれません。

ヨーロッパの中でもイスラム教徒が最も多い国、

今回の容疑者はイスラム過激派の影響を受けていたとも伝えられています。

美しい街並みは混沌かつ複雑な世界情勢と背中合わせなのですね。

事件の背景が解明され、パリに平穏が訪れるように祈るばかりです。

以前に訪れたパリの街で、メトロに乗った時、

フランス語のお洒落でセンス良い車内広告に見入ってしまったのですが、

その中で目立っていたのがモロッコ旅行の広告。

「エキゾチックなモロッコへ2週間バカンス!

 今なら○○ユーロぽっきり!」みたいなコピーが楽しげに踊っていました。

そうかぁ、地中海の向こうは北アフリカだもんね、宗主国でもあったもんねと

フランスとアラブ世界との地理的、歴史的な近さを実感したことを

ふと、思い起こしました。

そうだ、パリの街で評判のレバノン料理のレストランも行ったっけ。

胡麻ペーストや茄子のお料理がスパイシーで美味しかった。

カフェでも普通にクスクスがメニューにあったなぁ。

パリ旅行は気軽にアラブ文化にも触れられる貴重な機会でもあったのだ。

ヨーロッパやアラブがお洒落に融合した料理や音楽が素敵だった。

そんなプラスの思い出をいっぱいもらったパリの街が

今、テロの脅威にさらされている。

外務省の海外安全HPを見ると

フランスへ渡航、滞在する人に向けての注意喚起情報が記されていました。

テロの標的となりやすい場所は可能限り避け、

訪れるときは安全確保に十分に注意するよう呼びかけています。

政府・軍関連施設はもちろん、観光施設、デパート、市場など

不特定多数の人が集まる場所も含まれます。

パリでのお買い物、パリのマルシェ、も充分に注意を、ということ。

パリの裏通りの小さなマルシェ。

朝のお散歩ついでにおじさんから買った真っ赤なラズベリー。

お洒落な紙箱から溢れそうな赤く熟した実の甘酸っぱさを

切なく悲しく思い出す土曜日の朝です。

(写真は)

パリの街角をお散歩すれば

さりげない素敵に必ず出会う。

お気に入りのパリ土産のひとつ。

普段使いのカトラリーまでちゃんとお洒落。

安心してお買い物できる日が来ますように。