まめまめしく幸せに

幸せを願う気持ちを形にしたら、こうなるのね。

白、ピンク、黄色に緑、青に紫、一足先に春がやってきたみたい。

小さくてまんまるい色とりどりの愛らしいお菓子、

その一粒一粒が嫁ぐ日の花嫁にそっと寄り添ったのでした。

晴れの日の特別な祝い菓子「おいり」です。

「はい、これ、小さなお土産、可愛いでしょ?」

「あ、あーっ!!!『おいり』だぁー!嬉しーい!初めて実物を見たー!」

自称和菓子研究家(笑)の私、あられもない声を張り上げてしまいました。

真冬の北海道旅で再会した

香川の30代女子、旅友R子ちゃんから渡された小さな包みを開けて大興奮。

ある郷土菓子の本に載っていた写真を見て以来、

その愛らしいお姿にいっぺんで恋に落ちてしまっていた「おいり」が

私の手の中に!

いや~ん、可愛い~♪

春の花畑のような淡い色の丸くて小さな形をした「おいり」は

香川の西讃地方だけに伝わる花嫁菓子。

花嫁が嫁ぐ日に親類縁者に配り、また婚家にも持参します。

材料は細かく裁断したお餅で、天日干しした後に炒って、色付けしたもの。

小さくてまんまるの日本一愛らしいお菓子。

四国にはこの香川の「おいり」、愛媛の「パン豆」、徳島阿波の「小判」など

花嫁菓子と呼ばれる祝い菓子が各地に伝わっていますが、

どれもがお米を材料した米菓子。

昔は貴重だった白いお米で作る祝い菓子には

嫁ぐ娘への溢れるような愛情と

幸せを願う親心が込められていたのでしょう。

またまんまるい「おいり」には

「心を丸くしてまめまめしく働きます」という意味があるそうです。

人生、雨の日も晴れの日もあるけれど、

決して心に角はたてないで、まんまるい気持ちでいれば、

誰かを幸せにできる、それは、あなたが幸せになれるってこと。

まんまるい「おいり」が幸せになるコツをそっと教えてくれます。

さて幸せのお菓子「おいり」のお味は・・・

大きさは、そうねぇ~、ちょっと小さめの卵ボーロってとこで、

一粒つまめば、軽い、あまりにも軽い、ほぼ重量を感じない軽さ。

口に含めば、さくっ、す~っっと消えていった。

優しい優しい甘さがほんのり。

これを食べて不機嫌になる人はまずいないだろう。

眉間のしわも自然に伸びていくような穏やかな癒しの力がある。

キビしいお姑さんのお口にぽんと放り込むのも良い手かもしれない(笑)。

「おいり」は香川県の丸亀市周辺の西讃地方で作られていますが、

ご当地ではアイスやソフトクリームに色とりどりの「おいり」をトッピング、

なんてお洒落な食べ方もされているらしい。

確かにパステルカラーの優しい味の「おいり」はトッピングにも最適、

真っ白いシフォンケーキとかチーズケーキにも似合いそう。

そうそう、お雛さまと一緒に飾ってあげても素敵よね、

美味しいけど、雛まつりまで大事にとっておくことにしましょう。

ちなみに

「おいり」とは米を「炒る」と、もうひとつ、

お嫁に「入る」をかけて名付けられたとも言われています。

カラフルで愛らしい香川の「おいり」、

婚活菓子としても今後の活躍が期待される。

頼んだよ、「おいり」、あらゆる女子に幸せを。

(写真は)

香川のR子ちゃんが

北海道まで持ってきてくれた「おいり」。

きっと時としてあらわれる

心の小さなトゲトゲもまんまるくしてくれる。

これを食べたら、みんな幸せになる。