ポアソン・ダブリル・サレ
おやっ?今朝のテレビ、
「とくダネ!」の司会がユースケ・サンタマリアに変わっていた。
ははぁ~ん、ふふ、そうでした、そうでした。
きょうは4月1日、エイプリルフールでした(笑)。
きょう一日、ちょっとした嘘や軽いいたずらには要注意、
そして、フランスならば、背中に注意、かもしれません。
日本ではエイプリルフールとして知られる4月1日ですが、
フランスでは「Poisson d’Avril(ポアソン・ダブリル)」、
「4月の魚」と呼ばれ、
子供たちが魚の絵を書いて誰かの背中にこっそり貼り付ける、
なんていたずらなどが許される日。
またお菓子屋さんには魚の形をかたどったパイやケーキが並び、
春の訪れをお魚スイーツでお祝いするのでした。
そもそもフランスではなぜ「4月の魚」?
一説にはこの魚は「サバ(maquuereau)」とさすとも言われています。
あまりお利口でないサバは4月になると簡単に釣れることから、
4月1日にサバを食べさせられた人のことを
「4月の魚」と呼ぶようになったとか。
かなりサバに失礼な起源説、サバ好きとしては承服しかねますが、
まあ、諸説あるうちのひとつとしておきましょう。
「ちゃんとご飯、食べてるかしら、お魚もちゃんと食べないと・・・」
この春から一人暮らしという若者も多いと思いますが、
ふるさとの母たちはみんな同じような心配をしています。
今朝のめざましテレビでも上京して一人暮らしを始めたばかりの若者の
冷蔵庫チェックをしていましたが、
その冷蔵庫の中身ランキングベスト3は、
1位清涼飲料水、2位水、3位お茶・・・オールドリンク、固形物ゼロ。
沖縄から上京して8日目の18歳男子大学生の冷蔵庫に至っては
買ったまま、ありのままの状態。
庫内には梱包材の段ボールや青いテープがそのまんま、
パック入りの紅茶がぽつんと一個あるだけで、
取り扱い説明書、トリセツまでが横のポケットで冷やされていました。
「ありのまま冷蔵庫」の理由は「東京の外食がめっちゃ旨すぎて・・・」(笑)。
確かににね~、外食天国の東京、目も舌も胃袋も誘惑されちゃうよね~。
ん十年前の春を思い出す。
大学進学で室蘭から上京、桜満開の東京での一人暮らし。
(正確には同郷の同級生女子との二人暮らしでしたが)
小さな冷蔵庫は買ったものの、
しばらく牛乳とコーラくらいしか入っていなかったなぁ。
大学周辺はもちろん、新宿、渋谷、原宿・・・
大都会は美味しいものがあり過ぎて。
きょうはメンチカツに明日は豚生姜焼き、
お昼は学生食堂でよりどりみどりの定食三昧、
時には友達とタクシーに乗り合わせ、新宿の東京大飯店で点心三昧、
ったく東京まで学びに行ったのか、食べ歩きに行ったのか、
仕送りが胃袋に消えたあの頃、ごめんね、お父さんお母さん。
そして月末が近づき、金欠に気づき、激しく反省した若く苦い日々。
大都会の飽食の海に溺れかけた食い意地のはった愚かな娘よ(笑)。
でも浮かれ過ぎた春が過ぎ、夏になり、初めて室蘭に帰省したとき、
「おかえり、何食べたい?」と問うた母に娘は言った。
「あのさぁ、一塩した干しカレイが、食べたい」。
「へ?干しカレイ?アンタが魚食べたいって???まぁ~変るもんだねぇ~」
母は目を丸くしながらも、どこか嬉しそうに
いそいそと近所の市場に魚を買いに出かけたのだった。
ご飯のリクエストと言えば「肉・肉・肉」だった部活少女も
春からの一人暮らしでようやく気づいたのだった。
噴火湾で獲れた新鮮なカレイを浜風で一夜干しした故郷の魚の旨さを。
キラキラ光る大都会には超一流の店も老舗も世界各国のレストランもあるけれど
ふわりと優しい白い身に懐かしい潮風を感じるお魚はどこにもないことを。
「え~、今晩は魚ぁ~」とぶーたれていた食卓が
どれほど豊かだったかということを。
うっすらと絶妙な塩加減の干しカレイは忘れられない「4月の魚」。
お利口じゃないのはサバではなく、
初めての一人暮らしに浮かれていたあの春の私だ。
「4月の魚」はちょっっぴりしょっぱい。
ポアソン・ダブリル・サレ、だ。
可愛い子には旅をさせよ。
特に食いしん坊の子には旅をさせよ。
旅をして、家を離れて、はじめて、知る。
自分のカラダは故郷の美味しい物でできていることを。
故郷の美味しい物を食べさせてくれた親のありがたさを。
食いしん坊は胃袋で愛を知る。
(写真は)
北海道のお魚に感謝した春。
で、北海道産の豚もまた美味であります。
ドライエイジングされた銘柄豚のじっくりロースト。
藻塩でいただくと最高。
肉食部活少女も今は、
ほんの少しのお肉をじっくり味わう大人になりました、とさ。

