擬態タルト

美しい銀盆に宝石のように並ぶケーキたち。

「どちらになさいますか?」ウェイターさんが優しく問うてくれる。

う~ん・・・どれにしようかな~。

ホテルのティーラウンジ、ケーキを選ぶのに悩むこの時間までもが幸せ。

「え~っと、じゃあ、コレ下さい」。

「はい、かしこまりました。すぐにお持ちしますね」。

はい♪ 待ってます♪

先日の講演会が終わった後、、

主催者のご厚意でコーヒータイムを楽しませて頂いたときのこと。

濃厚なチョコレートケーキやミルフィーユやチーズケーキにも心が動きましたが、

春ですものね~、真っ赤な苺のタルトをチョイスしました。

「お待たせしました。ごゆっくりお楽しみ下さい」と

目の前に春爛漫の苺タルトが置かれました。

では、いただきます。

銀のデザートフォークを苺タルトのてっぺんにそっと入れる。

ふわ・・・あれ・・・?苺にしてははかない感触・・・と思いながらも

真っ赤なタルトをまずは一口。

ん?んんん~?柔らかい・・・苺じゃない・・・

これは・・・爽やかな酸味のあるクリーム・・・チーズとワインの風味が・・・。

見た目で苺タルトとすっかり錯覚していたそのケーキこそ、

「さっぽろスイーツ2014コンペティション グランプリ」に輝いた

「さっぽろチーズワイナリー」なのでした。

確かに美しいケーキのてっぺんには

グランプリ受賞を記した小さなラベルがそっと添えられていました。

うふふ。まんまと、美味しくだまされました。

真っ赤な小粒の苺に見えたのは

葡萄の房に見立てて、丸く粒状に絞った道産クリームチーズ。

赤いグラッサージュがかけられた姿はほとんど苺。

春の苺に擬態した美味しい「さっぽろチーズワイナリー」でありました。

このホテルのパティシエが道産ワインとチーズに着目し、考案した作品で

見事なマリアージュを演出したセンスが高い評価を受け、

2014年のグランプリに輝いたのでした。

道産小麦を使ったさくさくのタルト生地はホワイトチョコでコーティング、

タルトの中には赤ワインと道産アロニアのコンポートが隠れています。

小さな真っ赤なタルトを頬張れば、黄金色に輝く北海道の小麦畑、

ワイン専用ぶどうの生産日本一の葡萄畑や美しいワイナリー風景、

そして牛たちがのんびり草をはむ広大な牧場・・・などなど、

北海道の「おいしい」風景が次々と目に浮かんできます。

真っ赤な擬態タルトは、何とも雄弁な北海道広報マン。

難解な専門用語もめんどくさい説明もいりません。

まずは一口食べてみれば、誰もが納得。

ほら、道産ワインと道産チーズと道産小麦と道産フルーツって凄いでしょ?

もっと色々な道産マリアージュ、試してみたくなるでしょ?

お菓子の実力って、凄いな~。

おいしい大地。

北海道に二度惚れした午後でありました。

(写真は)

ね?見た目、苺タルトって錯覚するでしょ?

道産チーズと道産ワインが美味しいマリアージュ。

ちょっと大人風味の春タルト。

食べた後に・・・赤ワインが飲みたくなる(笑)。

ハッピーアワーにもお似合いのケーキ。