神秘の花

南国の夏の夜、

夕闇とともに甘い香りの花を咲かせはじめ、

夜明けには美しい花びらを惜しげなくぽとりと落とす。

それが一夜限りの神秘の花「サガリバナ」。

宮古島にその「サガリバナ」の群生地があるらしい。

しかも開花時期が1泊2日の「旅中旅」とぴったり重なっている。

これは・・・旅の神様、花の神様の思し召し。

何としても逢いにいこうではありませんか。

夜にしか咲かない幻想的な「サガリバナ」に。

というわけで、

夏の沖縄旅6日目、宮古島への1泊2日「旅中旅」の夜、

心ひそかに温めていた宮古ナイト「秘密の計画」とは「夜のお花見」。

「宮古島平良の郊外にある「添道(そえどう)サガリバナ群生地」で

保全、植栽活動を続ける環境団体が去年からライトアップを整備、

懐中電灯なしでも美しいサガリバナを観賞できるようになりましたetc」。

旅の出発直前、たまたま目にしたのが

そんな地元ローカル局発のニューストピックスでした。

サガリバナ・・・?

漆黒の夜に白やピンクの花房が幻想的に浮かび上がる。

その映像を見た瞬間、もうハートはわしづかみ。

南国の夏のわずかな期間、それも夜にしか咲かない花。

その見頃と旅の日程がぴったり重なっている。

これは、「サガリバナ」が私を呼んでいるのだ。

そうして今宵、運命に導かれて宮古島へ。

確か・・・記憶がさだかではありませんが、

琉球王朝を舞台にしたドラマ「テンペスト」のなかでも

真夜中に幻想的な花が咲く木の下での美しいラブシーンがあったような・・・。

あの花も、もしかしたら、サガリバナだったんだろうか。

夜にしか咲かない神秘の花に誘われて、気分はほぼ仲間由紀恵(笑)、

さあ、宮古ナイト秘密の計画「サガリバナ夜のお花見」作戦、開始です。

サガリバナとは学名「Barringtonia racemosa」。

台湾、南中国、インド、マレーシア、ミクロネシア、ポリネシア、

日本では奄美大島以南の琉球列島に分布し、

河口のマングローブ後背地に自生する常緑の小高木。

沖縄本島安波、慶佐次や名護市真喜屋などでも見られますが、

特に宮古島平良郊外の添道群生地は

保全環境、規模ともに傑出した「夜のお花見」スポット。

旧平良市がサガリバナを保全種に指定、大切に保護、

地元の宮古島環境クラブが

「宮古島添道サガリバナ群生地の花と緑の水辺つくり事業」を実施、

希少な植物が自生する水辺環境を保全、

サガリバナの保護、植林を続けているのです。

こうした宮古島の人々の自然を守ろうという心、行動のおかげで、

遠くからやってきた旅人も一夜限りの神秘の花に会えるのですね。

与那覇の東急リゾートからレンタカーを飛ばして、

平良の街中で美味しい島ごはんに舌鼓、絶品ジェラ―トを堪能しながら

優雅に時間調整をしていたのは、ひとえにサガリバナの開花に合わせてのこと。

夜が深まるほどに、花を開かせていくらしいのです。

よし、時刻は夜の8時をまわろうとしています。

既にとっぷりと日は暮れ、漆黒の夜空には星がまたたきはじめました。

いざ、「添道サガリバナ群生地」をめざします。

・・・が、賑やかな平良のネオンから遠ざかるごとに

宮古の夜の闇はどんどん深まり、島の道は細く入り組み、

例によってナビはまったく役に立たない。

グーグルマップを見てもほとんど何の目印もない場所に目的地が。

事前に色々と情報収集するにはしたのですが、

ホテルのコンシェルジュもネット情報以上の詳細ルートはわからずお手上げ。

レンタカーのハンドルを握る手が次第に汗ばんでくる・・・。

気分は「テンペスト」の仲間由紀恵から

ほぼ「インディ・ジョーンズ」(笑)。

ドキドキの「添道サガリバナ探訪ドライブ」のお話は、

明日へと続くのだ~。

(写真は)

サガリバナ・インディ・ジョーンズ・・・。

唯一の道しるべは・・・

闇夜にひっそり佇む・・・

この小さな小さな手書きの看板だった・・・。

神秘の花への道のりは、

神秘過ぎた(笑)。